見出し画像

【イラン5】ヤズド、鳥葬ゾロアスター教

ヤズドのバスターミナルには夜明け前の3時に到着した。

待合室はほんのり暖房が効いていて、5時頃になると少しずつ人が集まってきた。5時半になり、売店のおじさんが寝ている人を起こして回る。

トイレで顔を洗い、歯を磨き、朝を待つ。6時半頃になりようやく太陽が顔を出したようで、外に出る。寒い。0度近いんじゃないだろうか。

画像1

せっかく外に出たので、そのままイランで最も背の中にメナーレ——塔、ミナレットともいう——へ行く。荘厳さは、サンピエトロのようだ。

画像2

信仰が集まる場所は、独特の雰囲気がある。しかし……寒すぎる。

画像3

ヤズドの街は、世界で17番目に大きい広大なイランのほぼ中央に位置し、3000年もの長い歴史を持つ。

画像4

ゾロアスター教というおどろおどろしい名前の宗教の中心地だ。トレーナーを着込んで、最近(50年前とか)まで実際に鳥葬が行われていたという沈黙の塔に行った。

街の中心地からは2キロほど。

目の前は住宅街。道を挟んで、山側にそそり立つ二つの丘。その頂上に要塞にも見える円形の壁。その中で、鳥葬が行われていたという。

画像5
画像6

正面から登ってしまい、高所恐怖症としては体を強張らせながらたどり着いた円形の壁の中は、直径3メートルほどの大穴。ここで屍体を鳥に喰べさせていたのか。

画像7

何とも言えない雰囲気に無言で佇んでいたら、新しい餌がきたと勘違いしたのか、一羽の鳥がやってきた。喰われる前に、丘から駆け下りた。

鳥葬も土葬も火葬も死者を弔う儀式としては同じだが、肉親が目の前で鳥についばまれるのは、ちょっと耐えられないかもしれない。それも信仰の違いなのだろう。

画像8

ふもとには集落も少しだけ残っていた。聖なる場所として、この塔を眺めていたのだろう。

ターミナルに戻り、パスタパンを食べながら、イスファハン行きのバスを待つ。

画像9


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?