【パキスタン6】標高2000メートル、残金15円
クンジュラブ峠の国境から帰ってきて、ひとまずスストの街にステイした。
金がないという事情を知っているタクシーの運ちゃんが、道路沿いの安宿を教えてくれた。ここならR150でいけるという。
親切にも宿主に交渉までしてくれて、R150。山の上だけあって、ホットシャワー付きだった。
夕飯にシシカバブみたいな牛の串焼き(R10)だけ食べて、金の心配をしつつ寝た。
残金R740。
翌朝ひとまずギルギットまでミニバスで向かう。R90。残金R630。ギルギットで、ピンディー(イスラマバード )までのバスがR650と言われ、いきなり予算オーバー。
日本円ならあるが、パキスタンルピーがない。事情を話すと、R600でいいよと言ってくれた。本当に感謝だ。
残金R30。約15円。大人になって持ち金がこれほど寂しくなったことがあっただろうか。しかもここは標高2000メートルの山奥だ。
ピンディーで両替できるよと言われたが、明日は日曜。休みの可能性大。
ここギルギットは州都だ。この街で両替をチャレンジした方が可能性は高いかもしれない。
聞き込みすると、バスでちょっと行ったところのJSRプラザに両替できるところがあるかもしれないという。
片道R10。往復R20だ。
どうせ残りがR30(≒¥15)か、R10(≒¥5)かの違いだ。やらない後悔より、やって後悔だろう。
ピンディー行きのバスの出発まであと30分と迫っていたが、どうせ出発は毎度のように遅れるだろうし。
スズキのミニバスに乗り込む。が、案外JSRプラザが遠い。
ようやく着いたようだが、何とJSRプラザには両替はなかった。
若干絶望的になったが、行動すれば何かが動く。
近くに警官がいたので、両替所はないかと聞くと、奥にもっと大きなプラザがあるから行ってみろという。
するとあったのだ。しかも日本円で両替OK!という。レートもそこそこいい。
有り金¥3000をR1440に両替した。
これでもう大丈夫。勝負に出てよかった。
バスターミナルに戻ると、案の定まだピンディー行きのバスは出発していなかった。R25で水を購入して、意気揚々とバスに乗り込んだ。
席は、左奥。ゆっくりと景色を眺めながら、とはいかずチラスの街に近くなるにつれ、車内の温度がグングン上昇していった。しかも埃が車内に入ってきて、ストレスフルな帰りとなった。
とはいえ、心なしかカラコルム・ハイウェイ は、下りの方がスイスイ進んでいる気がする。対向車が少ないからだろう。
隣の席の男もフンザ出身のストレートっぽい奴なので、変な心配もない。
途中の休憩で、ダルカレーみたいなのを食べた。不味かったが、腹が満たされた。R30。両替できなければ、こんな食事もできなかったのか。本当によかった。
ピンディーに近づくにつれ、気温はどんどん上がっていった。
そして、ようやく到着。辺境の村から来ても、大して高いビルもないパキスタンは、まだまだ発展途上の印象だ。カラチやラホールは都会なのだろうか。こんな国が核持って大丈夫なのか。
ピンディーからサダルまではR60。
宿は、ニューカラコルムホテル。R600のところをR500にしてもらった。
パラダイスインは、R1200。もっと安いと聞いていたが、物価は上昇中のよう。
気温もグングン上昇し、コールドシャワーがむしろ心地よかった。
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