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【東南アジア18】フエの日本人宿ビンジュオン
朝6時半にホイアンの街についた。
元々はニャチャンではなく、世界遺産の古い街並みが残るこの街に泊まるはずだった。
観光する時間もなく、バスからミニバスに乗り換えて出発。3時間ほど走り、昼前にフエについた。
この街には、有名な日本人宿がある。ビンジュオンだ。
目当ての宿はすぐに見つかったのだが、驚いた。
部屋はめちゃめちゃきれいで、ホットシャワーにバスタブ付き。にもかかわらず、ツインで7ドル!! 速攻チェックインした。
オーナーの奥様が日本人。綺麗好きな日本人の好みを心得ていることもあって、10人以上の日本人が泊まっていた。
20年後の今はどうなっているのか知らないが、後にも、先にも、これほど完璧なホテルはなかった。
日本にエアメールを出しにいく途中、ニャチャンのビーチで一緒に遊んだ日本人の女性に偶然出会った。
せっかくなので近くで少しお茶したのだが、彼女、なんとオリンピアンという。
「ぐげえー」とのけぞったが、いたって普通の気さくな学生さんなのだ。
「もしいらない本があったら、交換しません?」と持ちかけられ、ちょうど読み終わったばかりの小説があったので交換した。
後日、帰国した彼女からメールをもらった。
彼女は北上して中国に入り、香港から帰国したとのことで、その途中の中国で僕が渡した本は日本人の旅行者に渡したそうだ。僕の本が僕の訪れていない国に行くこともうれしかったし、こうやって旅人の本というのが今も世界中を飛び回っていると思うと面白い。
その後、市場で友人に頼まれていた日本のアイドルグループSPEEDのパチモンのCDを購入し(本当に買えるとは思ってもいなかった)、そろそろ着替えたかったTシャツも新たに手に入れた。
夜、街をフラフラしていたら、怪しい日本語を話す女性に話しかけられた。警戒しながら話を聞いていくと、日本の知り合いに手紙を出したのだが、うまく届いていないようだという。
そういうことならと、宛名の書き方を教えたが、ラチが明かず、結局代筆することになった。
彼女は変な日本人に騙されているのかもしれないが、とりあえずものすごく感謝されたのでよかった。タイのチェンセーンで車に乗せてくれた親父さんの親切のお返しができた気がして、嬉しかった。
さらにフラフラしていると、シクロの男が話しかけてきた。
「女、女、どう? アオザイ、キレイ、キレイ」
買春を持ちかけてきた。5ドル。
なんて価格だと思ったが、宿が1泊3.5ドルなら妥当な値段なのか。
さっき買った胸に「Hue」と書かれたダサいTシャツが1ドル。
ホーチミンで観た映画も約1ドル(客は僕だけだった)。
でもって、買春が5ドルか。そういえば、カンボジアのエイズだらけの村では1ドルとか言っていた。
金銭感覚がおかしくなってくる。
とりあえず記念にシクロを運転させてもらって、宿に帰った。
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