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【シリア1】戦争前の旅の記録
2009年の12月7日。真夜中の2時過ぎにシリアの首都ダマスカスの空港に到着した。Duty freeもあり、思ったよりも近代的。前日からほとんど寝られなかったので、ロビーのベンチで2時間ほど仮眠。24hオープン空港なので、同じように寝ている人たちは結構いる。
入国審査は誰もいない。100ドルだけ両替し、バスで中心街へ。まだ外は薄暗いが、高速道路はかなり舗装されているようだ。
中心街のバス停で下車。近郊の町を結ぶライトバンミニバス・セルビスがめちゃめちゃ停車している。30台はあろうか。早速パルミラ方面のセルビスを探してチケットを購入。荷物チェックを受けながら、チャイをご馳走になる。
ダマスカスは予想以上に寒い。東京より寒いだろう。ダウンを持ってきて正解だった。
パルミラ行きは6時10分発だが、車が故障したようで別のセルビスに乗るよう指示。ようやく8時過ぎに出発した。
砂漠の中をひた走る。日中は多少日差しが強い。3時間足らずでパルミラに到着。バス停の客引きに連れていかれた宿へ。「アルナヒールホテル」。オフシーズンなのか、宿のスタッフは暇そう。部屋もきれいだし、親切そうだったので、チェックインすることにした。
チャイをいただきながら、パルミラ遺跡のガイドや砂漠の民ベドウィン族体験の説明を受ける。
ひとまずシャワーを浴びて、食事だ。宿近くのレストランで「カワジ」とかいうのを食べる。ここいらではトラディッショナルな一品だそうだ。トマト、芋など野菜をふんだんに使ったゴッタ焼き。味付けはおいしいが、如何せん量が多い。
腹も満たされたので、いざパルミラへ。宿に相談して、30ドルで案内してもらうことにした。ちょっと高い気もするが、シリアを代表する遺跡群だ。相場も高いのだろう。
今回は10日間ほどかけて、シリア、ヨルダンを旅する。
翌年からシリアでは戦争が始まった。これから訪れるパルミラもめちゃくちゃになってしまった。
そんな悲しい出来事は(悲惨さのレベルは全然違うが……)、今回の旅で撮影したデータをも何処かへ吹き飛ばしていってしまった。本当は管理不注意で紛失してしまった。かなりの枚数撮影したのに、残ったのは20枚ほど。デジカメは便利だが、その便利さに頼り過ぎた。
旅の記憶がなくならないうちに、当時の日記メモを書き残しておく。
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