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漫画とアニメに無縁な私が鬼滅の刃を読破した

私は漫画を読んだことがない。
というのは盛りすぎたが、同等と言えるレベルでほぼ読まない。
最後に読んだのは中学生の頃。バスケ部に入部し、男バスの同級生に「面白いよ」と勧められ、スラムダンクとあひるの空を読んだ。丁寧に読まなかった結果、内容をあまり覚えておらず、「スラムダンクだとどのキャラが好き?」というバスケ部出身あるあるネタについていけない。
アニメもほとんど見てこなかった。
ジブリとディズニー以外のアニメとは無縁。何か特質した理由があるわけでもなく、ただただ興味が持てず、君の名はブームにも乗れなかった。


そんな私が鬼滅の刃を読破したのである。

時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭次郎は、
ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。
さらに、唯一生き残った妹の禰豆子は鬼に変貌してしまった。
絶望的な現実に打ちのめされる炭次郎だったが、
妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、
“鬼狩り”の道を進む決意をする。
人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる━!
※公式HP 物語案内より



読むきっかけは、恋愛でよく言われる「3つのing」がたまたま重なったから。
フィーリング
「鬼を退治する話」かー。私でもスルッと理解できそうな気がする。
タイミング
時間がめちゃめちゃあるぞ。(今月丸々有給消化中)Amazonプライムでアニメ見れるじゃん。26話なら全部見れそう。とりあえずアニメからかなー。
ハプニング
「鬼滅の映画見に行きたいんだよねー」「鬼滅ってどんな話なの?」気になる人と会話が盛り上がったぞ。映画一緒に見に行けたらいいかも?

そんなこんなでアニメを3日間で一気に見まして、鬼滅デートも実行。漫画も読了しましたと。漫画とアニメに無縁だった私が、なぜここまでハマることができたのか。素人目線の感想を書いてみることにする。

主人公がとにかくいいやつ

主人公である竈門炭治郎が素晴らしいほどにいいやつ。「鬼となった妹の禰豆子を人間に戻す」この思いを果たすための冒険ストーリーなのだが、とにかく目標に向かって真っすぐ。目の前の課題に向き合い、ひたむきに努力し、少しずつ成長している姿がとても愛おしい。日本人の多くが好むであろう「コツコツと努力する」をまさに体現している。そんな彼の姿を見ると、思わず「頑張れ!」と声を出してしまいそうになるほど応援したくなる。
また、我が全く強くない。徐々に仲間を増やしていくのだが、「自分が自分が」とは一切ならない。鬼を倒すという目標に対して、チームワークと効率化を重要視し、自分の役割を全うする。一番のメインどころもサラっと仲間に譲れるほど、心に余裕がある。この姿勢は、現代社会を生きる私たちが共感できる点かもしれない。
悪く言えば、特徴がない「普通の人」かもしれない。だが、普通である彼が、偉業に向かって真面目に真剣に取り組む勇姿に心を打たれるのだ。

登場人物の気持ちに共感

登場人物の背景が丁寧に描かれているため、ストーリーにグッと引き込まれる。各キャラクター回想シーンが必ずあり、生い立ちやきっかけ、転機などが語られる。それは味方だけでなく敵である鬼にもだ。そして回想シーンには、誰しもが経験があるだろう共感ポイントが散りばめられている。これこそ、私がハマった点。悪がただの悪として描かれていない。いや、鬼は悪なんだけど、でも「何か分かるかも」「それはひどいわ」って鬼に共感できるんだよ。「ちょっと道を誤っちゃったんだな、かわいそうだな」って思わせてくるんだよ。
炭次郎もまた、鬼に共感する。「そうだったんだ、辛かったね」と鬼の感情を受け止める。でも、悪は悪なので、斬り付ける。ここに納得感と爽快感。「分かる、分かるよ。でもさ、やっていいことと悪いことあるよね。あなたのしたことは悪いことだよね、グサッッッッ」って感じ。鬼に対しても「受容と共感」を実施する炭次郎は、とにかくいいやつでしかない。

老若男女の心をつかむ

「仲間たちと刀で鬼をやっつける」ストーリーの根本はこれなので、子どもたちに分かりやすい。戦いのシーンは単純にかっこいいし、ハラハラドキドキ見ごたえがある。炭次郎の妹はかわいらしく、仲間たちは個性強めなので、好みのキャラも見つけやすい。残虐なシーンが多いのに、ちびっこたちはよく見てられるよ。
プラスして私を含めた大人たちは、やはり登場人物のストーリー性に共感している人が多いんじゃないかなー。どうなんだろう。女性にも人気があるのは、母性本能くすぐり系キャラが多めだからだと思う。ちなみに私は伊之助推し。

映像がきれい

「なんて雪がきれいなんだ」アニメ1話を見たときに衝撃を受けた。日本アニメ舐めてた。「ピクサー映画じゃないのに、こんなにきれいなのか」単純に他の日本アニメも見てみたいと思った。

今や「キメハラ」という言葉ができるくらい、社会的ムーブメントを巻き起こす「鬼滅の刃」。この現象は、コロナ禍が後押しをしていることは間違いない。緊急事態宣言発令後、自粛ムードで心身ともに窮屈になった方も少なくないだろう。私もその1人。休校、オンライン授業、テレワークなど社会的変化を余儀なくされたと同時に、自分の時間に余裕が生まれた。そんな中でのテレビ放送、サブスク配信。炭次郎のひたむきさに心を打たれ、勇気づけられた人も多くいたはずだ。イベントが徐々に緩和されたタイミングでの映画公開。鬼滅の刃もきっと、「3つのing」が重なったゆえの、大ブームである。

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