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世界最速の「白鳥おどり」1 徹夜おどりに魅せられる

 岐阜県郡上市白鳥町で21夜も続く「白鳥おどり」。8月13日には計3夜にわたる「徹夜おどり」が始まった。人々は午後8時から翌朝4時まで、何かに取りつかれたように踊り狂う。昨年12月まで勤務した中日新聞から、白鳥おどりに関する記事の寄稿を依頼された。連日の猛暑だが、行かねばならない。
12日夜から徹夜で高速道路を走り、長良川上流の町を目指した。

若い人たちが多い会場


後方に見えるのが踊り屋台


踊り子の年代は子どもからお年寄りまで幅広い

 私は中日新聞を定年退職後、白鳥町にある「白鳥通信部」に赴き、嘱託記者として6年間働いた。今回の徹夜おどりは、なんと現在は廃止された通信部前が会場だ。
 懐かしい人たちと再会し、懐かしい踊りを取材する。白鳥は記者生活の中で、一番長く暮らした土地だった。いってみれば「第2のふるさと」で、久しぶりに新聞記事を書くことになった。
 以下は8月14日付け岐阜県内版の記事。関係者のご厚意で、ここに転載します。連載3回と写真グラフは、次回から順次掲載予定。

奥美濃に熱気。徹夜おどり開幕

 郡上市白鳥町の「白鳥おどり」は13日、呼び物の徹夜おどりが始まり、5000人(実行委員会発表)の踊り子でにぎわった。
 午後8時。新栄町に曳き出された踊り屋台から「源助さん」のおはやしが流れると、浴衣姿の人たちが一斉に踊り始めた。
 白鳥おどりはアップテンポな曲が多く、白鳥マンボとも呼ばれる。人気の「世栄」は演奏がどんどん加速し、踊り子は音頭取りの声に駆り立てられるようにして乱舞。佳境に入ると、普段着の若者たちが踊りの輪から飛び出し、走りながら踊る姿も見られた。

 昼間の熱気が残る会場に、げたを踏み鳴らす乾いた音と掛け声が響いた。 高知県仁淀川町から初めて訪れた石材店経営山本達雄さん(58)は「チームの踊りを見る高知のよさこい祭りと違い、だれもが自由に楽しんでいる。こんな小さな町で、徹夜の盆踊りが続いているのはすごい」と話した。
(元中日新聞記者中山道雄)

浴衣姿で徹夜おどりを楽しむ人たち




 



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