東京演劇道場 野田秀樹『赤鬼』～「だから来るんだよな、劇場。」な一作

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時代を超えるマスターピースってあるのだな、と改めて思う。ここ数日、コロナ禍で演劇の意味付けはどうなるんだとぐだぐだ考えていたが、下手の考え休むに似たりか。ほら、人は集まって生きててさ、同じだけど違ってさ、ぶつかるのだよ。精神も肉体もぶつかる。そこにドラマがある。理解できないから、ドラマを観て、きっかけを探すのではないか。
この戯曲は、ロンドンやソウル、バンコクでも上演されてきた。民族も文化も言語も違えど、観る者の心を打った普遍なもの。
今回は、野田氏の下に集まり、鍛えられたメンバーが16人ずつ4つのグループに分かれて上演する。演出は全て野田氏が手掛けるというが、役者が違えば違う芝居になるに違いない。ぜひ違うバージョンも観たい。
シアターイーストで汗と飛沫を飛び散らせながらの大熱演。感染防止で客席との間に張られたビニールシートの反射さえ、異空間の表現の仕掛けのようだ。Aグループ、真っ直ぐでギラギラした眼の印象的な #夏子 さん、指先まで巧みに狡さを舐めらせる #河内大和 さん、天辺からスコーンと邪気を放出する木山廉彬さん、そしてなんとも不気味な異物感で主題を表現する #赤鬼 #森田真和 さん。囲む村人はダイナミックで統制された動きを見せるが、チラ見えする揺らぎのようなものは、多様性か、自己主張か。
#赤鬼 「だから来るんだよな、劇場。」な一作。8月16日まで。

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