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東京ノートインターナショナル~日本はこうなれるのか。

青年団『東京ノート インターナショナルバージョン』
近未来の東京。欧州で起きた戦火を逃れ、人やカネが日本に流れ込む。あのフェルメールの絵が、日本に退避してくるのだ。そしてこの作品では、日本で暮らす外国人が登場し、日英韓中露など7か国の言葉が飛び交い、日英の字幕がつく。自分が世界をどのように視て、どのように見られているのか。ロシア人とアメリカ人が日本語混じりで話し、フィリピン人の弁護士がロシア語の悪態に毒づいたりして、価値観が輻輳する世界が提示される。これが、近未来の、いやすぐそこにある日本ではないかと、英語を聞きながら、思う。
しかし、ある意味これは、選ばれた日本という理想郷。アジアには仕事があるから、と欧米から人材が流入する。コロナウィルスに右往左往し、オリンピックを控える日本は、国際的に成熟し存在感を発揮できるのか。他方で交わされる、家族の卑近な会話。グローバル化しても、人の基本単位は家族。しかしそれが閉鎖的な日本の象徴のようにも見える。
インターナショナルバージョンは今日まで、次は19日から元の『東京ノート』が同じ吉祥寺シアターで。でもボクはインド。