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試し読み『桜花爛漫』より『桜花の褥』

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2024.3.10 開催 J.GARDEN55 新刊『桜花爛漫』より、『桜花の褥』の試し読みです。 A6サイズ/本文76ページ/R18/イベント販売価格500円 コミコミスタジ…
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2024年2月の記事一覧

試し読み1『桜花爛漫』より『桜花の褥』

試し読み1『桜花爛漫』より『桜花の褥』

     桜花の褥

「——、……見事ですね」
 庭に向けて開け放った障子、その先に広がる光景を前に、高城は、ほう、と吐息をこぼした。言葉を失うほど美しいとはこういうことかと、感に打たれて立ち尽くす。
「だろう? ああ、今年もよく咲いているな」
 横にいる綾瀬もほほ笑み、同じように、目の前で咲き誇る桜の古木を眺める。
 今が盛りとばかりに薄桃色の花をつけたその木は、細枝を重くしならせ、白い小さな花

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試し読み2『桜花爛漫』より『桜花の褥』

試し読み2『桜花爛漫』より『桜花の褥』

「酔いましたか」
「……酔ってなどいない」
 綾瀬はかぶりを振ってみせるが、呂律も少々怪しくなっている。酔っ払いの手本のようなその反応に、正直に苦笑が込み上げてきた。手酌だったので気がつかなかったが、徳利はすでに空になっているようだ。
「少し、横になりますか?」
「なぜだ? 酔ってはいないと言ったろうが……まったく……」
 卓を回って相手の横に膝をつくと、綾瀬はむうっと口許を尖らせて反論する。さら

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