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お箸の国の人だもの~若狭塗箸~

「お箸の国の人だもの」味の素だったかな、昔そんなコマーシャルがありました。今日はお箸、塗り箸の全国シェア8割強(!)という「若狭塗箸」をお勉強します。

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福井県小浜市周辺で作られている若狭塗箸。その名のとおり、若狭塗の技法で作られるお箸です。


では、若狭塗とはどんな塗り物なのかをお勉強。

始まりは江戸時代初期。御用職人さんが海底の様子をデザインしたのだそう。……え、海底? 潜ったの? 小浜のあたりの海は浅いのでしょうか……。

【ここからは私の妄想です】
きっと、お抱えのお職人さんがお殿様に無茶ブリされて、
「だー! こんなオーダーやってられっかー!」とやぶれかぶれで海に飛び込んだんですよ。お弟子さんとか周りの人は、師匠が身投げしたんじゃないかと超心配。
お職人さん、やけっぱちで海の底まで潜る。しかしそこで見た風景がとってもキレイだったんですね。タイやヒラメの舞い踊り。まるで竜宮城のようだった。
「これじゃー!」とインスピレーションを受け、わっせわっせと泳いで戻る。ぷはーっと海面に上がってきた師匠の姿を見て、お弟子さん安堵……
っていうのを想像したんですが、違うことを祈ります。漁師さんからお話を聞いてイメージしたんじゃないかなーと思いたいです。【妄想終了】


卵の殻や貝殻、マツの葉などで模様を作り、その上に漆を塗り重ねて研いでいきます。これを「研ぎ出し技法」というのだそうです。
螺鈿や蒔絵の技法なども併用し、豪華絢爛な塗り物をこしらえたわけです。

その技術にほれ込んだのが若狭国小浜藩初代藩主・酒井忠勝公。この方、のちに江戸幕府の老中・大老にもなってる偉い人です。

「この塗物、めっちゃ気に入った!〝若狭塗〟って名前にしよう! でもって、よその藩にこの技教えるの禁止な! ウチだけのモンな!」……とおっしゃったかどうかはわかりませんが、技術流出を禁じたそうです。

若狭塗製品の全国普及、お職人さんの育成にも力を注いだ忠勝公。そりゃ偉くなるよね。デキるお殿様。聞いてるかー今どきの偉い人たちー!


ところで若狭塗には「お椀」がないんだそうです。質素倹約をモットーとする江戸時代には、お金持ちの商家の調度品としてしか用いられなかったんですって。当時普段使いするには、豪華が過ぎたようです(笑)

現代では、塗箸の全国シェア8割強といいますから「塗箸を見たら若狭塗箸と思え」状態ですね(もちろん他の産地のものもありましょうが)。水や熱に強いので、庶民の日用品にも使われるようになりました。現代人でヨカッタ。


例によって、執筆&お勉強の参考にさせていただいたサイトを貼り付けておきます。






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