TOCfE国際認定プログラム2018 (後篇)
1記事でまとめるのはさすがに難しかった・・
4日間のうち前半の2日間のことをまとめた記事はこちらです。
後篇では、後半2日間のことを書こうと思います。
Day 2.5: Day 3の朝の出来事
3日目の朝、講義が始まる前に
2日目の講義の講師から「ここまでどう?」と声をかけていただきました。
私は、付箋紙になかなか書き出せなくて楽しくない、ということを、正直に伝えました。
すると、
整理できていなくてもいいから、付箋紙に書くことが大事。
まず発散することが大事。収束はその後。
自分の中で花や実になるまで付箋紙に書かないということは、
そもそも花や実になる前の芽を、摘んでしまう可能性がある。
ということを言っていただきました。
まず発散…!
とにかく書けと。
そうだ、私はやっぱり発散が苦手なんだなあ、ということを再認識できましたし、
アウトプットが苦手な私でも書いてもいいんだと、とても勇気づけられました。
ところで、
毎日出る宿題は次の日の朝に提出したのですが、
その中から2〜3つが前日の講師によって選ばれて、
講義冒頭にみんなの前で発表できる機会がありました。
私は、2日目の夜にCLRまで終わった自分のブランチ(前篇に写真を掲載しています)が、
自分が今まで書いたブランチの中では、書いたときに納得感が持てていたので、
この場で発表できたらいいな〜という思いが密かにありました。
そう思っていたら、宿題の発表のとき、講師が、私のブランチをモニターに表示してくださいました!!
え、ウソ?!やった!ドキドキ!
しかし、時間切れで、2つのブランチの発表に留まり、私の発表までには至らず。
残念でしたが、半分は目標を達成できたような気持ちで、とても嬉しかったです。
Day 3: クラウド
3日目は対立構造を理解し解消するためのクラウドの学習でした。
クラウドは、ブランチと比べると書き方がちょっと直感的じゃなくて、すぐにすんなり書けないイメージを持っています。
5つの箱を、下記のように書きます。
(こちらは、当日のテキストからでなく、金沢のTOC勉強会で使われている資料です。掲載許可いただきました)
この日のワークは、複数のストーリーをテーマにして、
短い時間にDとD'、BとCとを何回か出す練習をするような進め方でした。
もう少し考えたいのにな・・というタイミングで時間切れが多くて消化不良気味になりました。
そんな中で、グループで扱ったストーリーは「残業手当を家計に入れてほしい妻と、家計には入れたくない夫」の対立でした。
そのときの成果物を写真に撮り忘れたので、記憶をたどって書き出してみました。
D / D'、B / C、Aの順に、グループで話し合ってまとめるワークで、
うちのグループでは、まずはとにかく発散で出してみて、
その後、その中でなるべくマシな表現の付箋紙を選びました。
スタッフの方からは
「~したい」という表現にする必要はない(しない方がわかりやすい)、
というアドバイスをもらいました。
このフレームワーク自体が、双方の欲求を示す形になっているからだ。とのことです。
確かに…。
(DとD'は、行動・手段を書くと思うと、自力で修正できていましたが、BとCにはその表現が残っていました。)
この後で、BとD、CとD'の関係がなぜ成り立っているのかの仮定「なぜならば~」を考えました。
私たちのグループでは、これまた発散で、以下のような仮定を出しました。
「BであるためにはDをやらなければならない。なぜならば」
・夫の元々のお給料では家計が厳しい
・妻が働いていない(他に収入源がない)
・切り詰められる支出がもうなく、収入を増やすしかない
・子どもが生まれたから
ブランチ同様、声に出して読んで検証します。
もう片方も。
「CであるためにはD'をやらなければならない。なぜならば」
・妻の家計管理が、残業代をアテにしたものになってしまわないようにするため
・妻と交渉しても、元の家計枠で自分の小遣いを増やしてもらえないから
・会社の付き合いの飲み会が多く、小遣いが足りていないから
ここでの注意点は、BとDやCとD'の関係性から来る仮定が出せているか、ということでした。
講義の中では、この仮定の出し方が理解できず、
また、グループ内のアイデア出しのフェーズが大喜利のような雰囲気になってしまい、
(講義の意図を学び取ろうとするよりも笑いを取りたい、みたいな感じで、
上に出した以外にウケ狙い的アイデアが多数出ていました)
個人的には、うーーん、となったまま講義が終わってしまいました。
そうだ、もうひとつ、しっくりこなかったことがありました。
「クラウドの箱の中の表現を抽象化していくと、人生や社会の教訓が得られる」という講義中の説明です。
これもワークでの練習があったのですが、やはり理解する前に時間切れになってしまいました。
ちなみにこの日のお昼は、タイ料理屋さんでカオマンガイを食べました。
前の日のガパオライスと比べて辛くないものを選んだら、これがすっごくおいしかった♡
Day 3.5: 講義の後の 理解と気づき
クラウドの講義が終わった後、2日目の講師の方やマスターファシリテータを捕まえて、講義の中で解消できなかった違和感について、お話を聞くことができました。
・対立の当事者がしっくり来るA、B、Cの表現の粒度や、A-B, B-D間の距離感みたいなものがある。逆に言えば、表現は人によって違う。
・なので何回も「これを(DやD'を)やったら何が得られるの?」と問うて、要望の表現をいくつも出してみて、しっくりくるものを選ぶのもよい。
・仮定は、BやDそのものに対する「なぜならば」とは違う。「BだからDをやらねばならない(と思っている)。それはなぜかというと」を考える。
・クラウドは、対立を解消するだけでなく、対立の相手が大事にしている価値観や状況が見えてくる
距離感、という言葉を聞いたときに、
今日のグループワークで作ったクラウドに対する違和感が
なんとなくわかったような気がしました。
BやCの表現がいまいちしっくりこなくて、仮定も出しにくかったんですよね。
このとき改めて「なぜならば」の仮定を見直すと、
BやC単体に関する理由になっている仮定もたくさんありました。(「子どもが生まれたから」とかね)
だんなさんや奥さんは、どうしたかったんだろう?
架空だとしても2人の気持ちにもう少し寄り添って
「だから○○したいんだね」というところまで表現できると良かったなと
ちょっと悔いが残りました。
この日の宿題は、(案の定) 身近なテーマでクラウドを書く、でした。
私は、1年ほど前に金沢の勉強会で書いたクラウドを、見直すことにしました。
講義を受けてから再確認すると、BとD、CとD'の関係性に対する「なぜならば」になっていない仮定がいくつかあるように感じました。
今見ても、まだ消し込みが足りていないですね。
また、
前の日に書いたブランチについても、話を聞いてもらえました。
「料理が残るということは、食べていないか、注文が多すぎるっていうことだろう。
それって、ダイエットがうまくいかないときのブランチと似ているんじゃない?」
はっとしました。そうです。
昔、ダイエットを実現するというテーマでブランチやATT(Day 4で学んだ図です)を書いたとき、
掘り下げていくと結局のところ「消費量が少ない、または食べる量が多い」という結論になったのでした。
自分で作った複数のブランチの意図が同じだったと気づかされたことで、
今日の講義の「一般化して解釈すると、教訓を得られる」というのは
このことなんだと、直接的に知ることができました。
無意識の自主練
ホテルに戻ってからもう少し課題を見直そうと思い、ホテル近くのフレンチレストランに入りました。
元々は、隣のイタリアンカフェで一杯やりながら・・と思っていたのが定休日で・・という流れだったので、ちょっと気後れしました。
なんだかオシャンティ・・
どれも美味しそうだな、
でも全部注文するほどはおなかも減っていないし・・と迷っていると、
給仕の方が「お店はこんな(閑散とした)状況ですから、
盛り合わせなど、柔軟にお伺いしますよ」と言ってくださり、
3つのメニューを少しずつ盛り合わせてくださいました。
このシチュエーションにすっかり感激した私は、
「なんでこんなことになっちゃったんだろう・・(良い意味で)
・・あっ、これってブランチで書けるかも」
と、気づいた瞬間から、夢中でブランチを書いていました。
無意識に、CLRのチェックもやっていたんだろうと思います。
そのとき書いたブランチがこれです。
もし、ノートのスペースと時間がもっとあれば、
このレストランを選んだ理由、
この3つのメニューを選んだ理由、
レストランで課題をやろうと思った理由、そんなことで
ブランチをどこまでも伸ばすことができるという感覚を持ちました。
前日に講師が言っていた「一生、できます。」ということを、身をもって体験した気持ちでした。
それから、私がこんなに充実した素晴らしい時間を持てたのは
「レストランのスタッフはとても親切だ」
この付箋紙のことがあったからに他ならない、ということも、可視化できました。
これはお礼を言わなくてはと思い、お店を出るときに、伝えることができました。
部屋に戻ってからも、ベッドの上で
取るに足りない小さなブランチをいくつか書き殴っていました。
頭の中に次々とブランチが浮かんできて、まるでzone状態でした。(笑)
今日はクラウドの日だったはずが・・
でも、そんなことは関係なく、確実に何かを掴んだ感覚がありました。
時間を割いて教えてくださったマスターのお話をきっかけに、自分の力でも組み立てられると実感できた瞬間だったのかもしれません。
Day 4: アンビシャスターゲットツリー(ATT)
4日目は、高い目標を達成する道筋をつくる、アンビシャス・ターゲット・ツリー(ATT)。
この図の書き方は、ここまでのブランチ、クラウドに比べると、手順に沿ってやっていけば書けてわかりやすいので、私はすきな方です。(=苦手意識がさほどない)
ATTの作り方は、以下の手順です。
もちろん、ここまでの学習を踏まえて(笑)、
ひとつひとつの付箋紙は、 関係者にとって明瞭になっていることが大事です。
1. ワクワクする目標(AT)を設定する
2. ATの達成を阻害している障害を書き出す
3. 2の各障害をクリアした状態を書き出す (中間目標)
(2の表現「〜できていない」「〜がわからない」を「〜できている」のようにひっくり返すだけでしっくり来るなら、それでもOK)
4. 3を、優先度順 (必要条件順) に並べ替える
5. 4の各中間目標を実現するための行動を書き出す
グループワークでは、コロンブスの気持ちになって、
インドにたどり着くための障害、中間目標、行動を順番に考えていきました。
最後に、グループごとにATを設定して、ATTを一気に作りました。
私たちのグループは、最後の行動を出すフェーズには至れず、中間目標の並べ替えまでとなりました。
ですが、ATを設定したときの、グループみんなの
「このテーマ、いいね!」というワクワク感とか、
「なんとかして達成する方法を考えなくては!」とでもいうようなパワフルな関わり方が、とてもよかったです。
先にも触れましたが、明瞭にしないと意味がないわけで、
例えば「開催場所が決まっていないって、どういうこと?」と聞いてみたところ、
「そもそも、開催地が決まっていなくて…」とのコメント。
ホテルかチャペルか神社か、って、そういうことじゃなかったのか!
とか、
「相談相手」というのも、経験ありの友人のような人を想定しているのであって、式場スタッフを想定しているのではない。
などなど、明瞭性を高めていく作業は、興味深かったです。
そして私がATTで思うのは、(他の2つのツールでも同じでしょうが、)
目標設定した当人が何を重視しているのか・何を悩んでいるのか、を大切に扱うことが重要で、
そうすることで、当人がATTに納得でき、
課題をクリアにできたとか、本当に目標達成しよう!
と思えるのかな、と感じました。
ちなみにこの4日間の最終日のお昼休みに、
自分の中での裏ミッション(これもATか!)だった、
「アチーバスに興味を持ってもらう」を、達成しました。(笑)
どんな障害と中間目標があったのだろうな。
事後だけど、書いてみたら、面白いかもしれません。
Day 4.5: TOCの4つの柱
どのようなことも、元々、シンプルだ
人は、そもそも善良でありたい
現実には対立など存在しない
わかっているとは、決して言わない
アチーバスにも通じるものがあります。
物事の根底は、つながっている。
ようやく最終日に懇親会に参加できたのに、写真を撮るのをすっかり忘れていました!
最後に
こんな感じで、ウンウン唸っているうちに、あっという間に4日間が終わりました。
この記事を書くのに数日かかってしまったわけですが、
その間にも、日常のささいなことをテーマにして、ブランチを書き続けています。
俳句や詩を書く人ってこんな気持ちなのかしら。(笑)
日常の一瞬一瞬に、原因があって、選択があって、結果がある。
そんなことに一度気づいてしまったら、その法則を知っているということから、逃れることはできない。
今何かのスタートラインに立った。
それは何なのかはわからないけれど、
私が誰かにこれを教えたいとか、そんなこともないのだけれど、
私はもしかしたら、今までよりももっと幸せになるためのツールを、手に入れたのかもしれません。
なんだか、アチーバスで初めて気づきを得たときの感覚と似てる。
今はなぜか、そんなふうに感じています。
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