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ロジック・ブランチと質問で、行動を決める

「教育のためのTOC」には3つの道具(型)がありますが、これらの道具を使ったときの内容をチェックするための「CLR」という視点があります。

教育のためのTOCは、世界20か国以上の教育の場で活用されている、とてもシンプルな考えるための道具です。
この道具は、ものごとのつながりを考える「ブランチ」、意見の対立について考える「クラウド」、目標を達成する方法を考える「アンビシャス・ターゲット・ツリー」の3つで構成されています。


わたしの場合、教育のためのTOCを日常で無意識に使っていると初めて気づいたのは、3つの道具よりも先にCLRの方でした。

そういうちょっとしたエピソードを思い出したので、書いておきたいなと思いました。

CLRについては過去に記事を書いていましたので、よかったらそちらをご覧ください。

「冷蔵庫に何もない」

「冷蔵庫に何もないから、外に食べに行こう?」

帰宅してかけられる言葉。数年前まで妹と暮らしている中でたまにあった、特に珍しいこともない会話です。

3つの道具のひとつである、因果関係を示す「ブランチ」で書くとこんな感じかなあと。

なぜその提案になったのか理由は、不足しているものの想像できる範囲であるし、何よりその提案自体もいたって普通の悪くない提案です。

「本当に"何もない"の?」

ただ、ある日のこの会話のときに、ふとこんなことを思ったことがありました。

・冷蔵庫の中に本当に何もないの?そんなに何もないの?
・今の冷蔵庫の中身で本当に何もつくれない?
・今の冷蔵庫の中身でつくっても、本当に満足できないのだろうか?
 もしかしたらそんなこともないんじゃないかな?
 (=たくさんの立派なおかずでなくても、何かができて、
 その結果満たされるかもしれない)

文字にすると外食したいという提案を怠慢とみなして責めているようにも読めますが、そうではなく、単純に疑問に感じ、冷蔵庫の中身を確認したくなったのでした。

そして、実際に確認したところ、やはりまったくないということはなかったのでした。卵1個とか、使いかけのにんじんとか、冷凍食品とか。そんなものがあったと思います。また、冷蔵庫以外にも、炊いたごはんを冷凍してあったり、じゃがいもが転がっていたり、冷蔵不要の加工品もあったと思います。

妹の感覚では何もつくる気がしないほど、冷蔵庫の中身が少なかったかもしれません。

でもわたしはそれらを見つけて「あるある。"何もない"ってこともないな」と思えたので、自分でつくる気力もわいて、スープや簡単なおかずを2品ほどつくり(汁物がすきなんです)、外食せずにうちで食事をしたのでした。「十分食べられるだけ、できたね。おいしいね」と話しながら食べました。

「ない」という言葉の威力

この話は、ロジック・ブランチの下の箱の内容を疑い、見直したことから、結果として上の箱の結果も変わった例だと思っています。

わたしはこのときの出来事で、ある事象を「ない」と捉えることの結果への影響の大きさと、無意識のCLRを経験しました。

わたし自身、口ではよく「ない」と言ってしまう自覚があります。
そしていったんそう決めつけると、その視点を起点に思考が進みます。「0か1か思考」です。

これはとてももったいないし、不幸せなことだと思いました。
この話のように、あるものをないと思い込んだり、できるかもしれないことを諦めてしまったりしてしまいかねません。

もちろん別の手段を取ることが悪いとは言いませんが、「ない」よりも「ある」と思えたなら、その方が気持ちに余裕が生まれるし幸せな気がします。

また、「ない」と決めつけて諦めるのでなく、物事をより客観的に捉えて自分で確認したり意思決定ができたりしたら、自分で行動できた、行動を変えられたと思えて、気持ちが充実するように思います。

CLRの力

CLRは、自分や相手の話の内容に対して、前向きな気持ちでもっとちゃんと理解したいと思ったときにコミュニケーションを支えてくれる、大切な視点です。この視点を学べたことで、自分が何を相手に訊こうとしているのかを、少しずつ意識できるようになってきました。

自分や相手に質問することで、自分にとってより納得度や自由度の高い選択ができることもあります。自分や相手のことをより深く理解できることもあります。

まだまだ、3つの道具とCLRの理解度は高いとは言えませんし、この話のような思考や意思決定をいつもいつもできてはいませんが、こうして日常生活に使っていると感じられることこそが、教育のためのTOCを学ぶモチベーションなのではないかなと思っています。

余談

今は妹とは暮らしていませんが、そしてそれは関係ありませんが、先日冷蔵庫の中が空っぽだったので帰宅途中でラーメンを食べて帰りました(笑) こんなこともあります!そしてこの日もやはり冷蔵庫は真に空っぽではなかったろうと思います(笑)

でもこんな日もありますね。この日のわたしにもきっと「なぜならば」はあったのだろうと、思いを馳せています(笑)

期間限定のお味、おいしかったです(^^)

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