あと2日で男子の母になるから今の気持ちを残しておく
おそらく、あと2日(くらい)で私は母になる。
妊娠期間中も私がこの子の母であったことには変わりないのだけれど、どちらかというと「私は母体である」いう感覚の方が強く、母としての実感があまり湧いていないのが率直な気持ちだ。
今日は妊娠41週0日。予定日を1週間超過している。
正期産を過ぎると胎盤の機能が低下し赤ちゃんが苦しくなってしまう可能性が高いため、明日から人工的に陣痛を誘発させるために入院することが決まっている。
つまり、最速で明日、遅くても明後日くらいには我が子に会えるかもしれないのだ。
産気づく兆候がない今のうちに、今の気持ちを残しておこうと思う。
今私のお腹にいる子は、生物学的には男の子だ。
まだ自分が母親だという実感はないものの、お腹の子の性別がわかった瞬間から私は、ゴリゴリの家父長制マインドが根強く残る日本で男子を育てることに対してだけは勝手にめちゃくちゃ大きな責務とプレッシャーを感じている。
自分の特権性に気づかず、異なる属性の人たちを排除することで「俺たち」の力を増幅させ、
産まれた瞬間から自分の足についている下駄を脱ぎ捨てるどころかその存在を認めることもできず、
声を上げる女性を、即座に自分たちの立場を脅かす危険因子扱いする…
これまでの人生で幾度となく目の当たりにしてドン引きしてきたそんな有害なシス男性たちが(言うまでもなく全員ではない)、それはそれは綺麗に整えてきたレールの上を、自分の息子が何の疑いもなくトレースしちゃったらどうしよう。
「男なんだから我慢しなきゃ」「男なんだから泣いちゃいけない」と余計なプレッシャーを自分に課して苦しくなることからも解放してあげたいけど、どれだけ家庭内で言動に気をつけていても、多かれ少なかれ家庭外のコミュニティからそういう思考の種をもらってくる日もいつか来るのだろう。(ショックだろうなー。)
我が息子を「こんなレールいらん。壊しちゃえ」と共に声をあげる仲間にするために親としてできることをたくさん考えて、実践するんだ。
とまぁ色々考えていると、とんでもない重圧を(勝手に)感じてすごく怖くなるけど、とにかくあと2日くらいでそんなこと言ってられないくらい、マジのカオスが始まる。
産後の身体のダメージ、慢性的な睡眠不足、数時間おきに部屋に響き渡る泣き声、プライベートな時間を持てないストレス、保活、自分の社会復帰の不安、「死なせてはならない」というプレッシャー…
というかそもそもまだ目が見えるかも耳が聞こえるかも疾患の有無もちゃんと歩けるかどうかも分かんないしな。
この1年は、ジェンダー観云々の前に、まずは息子にとって家庭内が安全かつ安心できる環境にすることに全力を注ぐことになりそうだ。
多分もう二度とない妊婦生活、正直めちゃくちゃ辛かったけど、愛おしくて楽しい時間だったな。
1年後、「私はこの子をしっかりと生かしたぞ!そして色々大変だったけど私なりに愛しぬいたぞ!」という気持ちで迎えたい。よし。まずはそれを目標にしよう。
最後に、まだ見ぬ愛おしい息子へ。
お母さんは、あなたのありのままを受け止めて、愛しぬくよ。
「自分は母親からたくさん愛情をもらった」と、いつか大人になったあなたが心から誰かに話せるように。
そしてあなた自身も、誰かや何かに惜しみなく愛情を与えられる人間になるように。
あなたがどんな芽を出すかわからないけど、お母さんは、ふかふかの土と、水と、太陽をたっくさん注ぐからね!
明日か明後日、会えることを楽しみにしてるよ♡
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