過去問チャレンジ事例Ⅱ(平成29年度)
概要編でお伝えしたコツとフレームワークを元に、過去問にチャレンジしていきます。二次試験は回答が公開されていませんが、正しい考え方で解くことが回答に結びつきますので、しっかりと思考の癖をつけていきましょう。
問題
<設問>
第1問(配点20点)
B 社について、現在の自社の強みと競合の状況をそれぞれ 60 字以内で説明せよ。
第2問(配点25点)
B 社はボランタリー・チェーン本部から新たに婦人用ハンドバッグの予約会の開催を打診された。B 社は現在のデータベースを活用しながら、この予約会を成功させようと考えている。そのためには、どのような施策を行うべきか。120 字以内で助言せよ。
第3問(配点30点)
地域内の中小建築業と連携しながら、シルバー世代の顧客生涯価値を高めるための施策について、120 字以内で助言せよ。
第4問(配点 25点)
B 社は今後、シルバー世代以外のどのセグメントをメイン・ターゲットにし、どのような施策を行うべきか。図を参考に、120 字以内で助言せよ
事例Ⅱのコツ
1.大手企業にどうやって勝つかである
2.SWOTから離れない
3.キーワードを適切に抑える
4.地域貢献を意識する
5.口コミを意識する
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
解き方
基本的な解き方は、下記の5つのステップです。
まず設問文を読みイメージを固めながら、問題文を読みましょう。
問題文を整理すること、設問文と適切に対応させることが重要ですので、
上記のオリジナルフレームワークを活用しながら、論点ズレがないように
解答を作成していきましょう。
①設問文を軽く読む
②問題文を読む
③再度問題文を読み、キーワードにマークをつける(特に強みは重要)
※強みは、地域から愛されている、知名度、老舗、評判の良い商品、スタッフのスキルなどがあります。関連するキーワードを抽出しましょう。
④キーワードをフレームワークで整理する
⑤全体の設問文、解答に一貫性(ストーリーがあるか、重複はしていないか)を確認
※第3~5問目は、たいてい、未来に対する施策の助言になります。強みを活かして、地域連携しながら行う施策(口コミを誘発)を意識して、右下の未来×施策の部分を考えて記載。
【補足】
事例Ⅱは、事例Ⅰと比べ、そこまで時制を意識しなくてもOKです。解答全体を見て、ストーリーに不整合はないかはチェックしながら進めましょう。全体ストーリーは、強みを活かしてどう大手に勝つか、地域と連携するか、口コミを広げるかがポイントですので、網羅できるか確認しましょう。
フレームワーク
こちらのオリジナルフレームワークを元に考えていきましょう。
■おおまかな事例の内容と方向性
・井戸端会議など顧客と密な関係性を構築している。シルバー世代や30代の子育て世代が増加しており、市役所や地元の近隣店舗と連携し、日用品販売や婦人服販売、事業継承した娘の保育士の経験などを活用しながら、新しい取り組みを成功させたい。
第 1 問(配点 25 点)
B 社について、現在の自社の強みと競合の状況をそれぞれ 60 字以内で説明せよ。
<ポイント>
強みと競合を解答する問題です。フレームワークで整理したキーワードから60字と文字数が少ないため3~4個記載しましょう。
<解答例>
強み)
こだわりの接客が信頼を得ており、顧客との継続的な接点があること、井戸端会議を通じて、顧客の潜在ニーズが収集可能なこと
競合の状況)
大型スーパーは若年層が対象で品質は高くなく接客に人手をかけない、県庁所在地の百貨店は、シニア層を対象で都市X市から遠い
第2問(配点25点)
B 社はボランタリー・チェーン本部から新たに婦人用ハンドバッグの予約会の開催を打診された。B 社は現在のデータベースを活用しながら、この予約会を成功させようと考えている。そのためには、どのような施策を行うべきか。120 字以内で助言せよ。
<ポイント>
成功させるための施策=強み×機会×データベースの活用した施策となります。設問①で解答した強みを意識して解答しましょう。
<解答例>
施策は、顧客データベースにある婦人服を購入した顧客に対し、好みに合う婦人用ハンドバッグを取り揃え、併せて婦人服も品揃えし、試着会を開催する。DMや電話、井戸端会議での口コミを拡散し集客し、丁寧な接客により売上増加を図る。
【補足】
どのような施策という部分で難しいと感じるかもしれません。その際は、強みに立ち返りましょう。強みは顧客ニーズの詳細を把握していること=顧客の好みの品揃えが可能=それをお知らせするという考え方で考えていきましょう。
第3問(配点30点)
地域内の中小建築業と連携しながら、シルバー世代の顧客生涯価値を高めるための施策について、120 字以内で助言せよ。
<ポイント>
顧客生涯価値を高める施策のため、解答の最後は、生涯価値を高めるという文言で締めましょう。施策については、強みをどう活かすかという観点で考え、日用品をいうキーワードも逃さず盛り込みましょう。生涯価値とは何か?と考えて、継続的な関係性の構築=”日用品は購買間隔が短いので、顧客との継続的な接点を作りやすい”という文のヒントを見つけるようにしましょう。
<解答例>
地域内の中小建築と連携し、介護ベッドを品揃え、介護のための改装の際に並行して購入を促す。また、定期的な点検のための訪問サービスを行い、日用品の個別宅配も行い顧客との関係性強化、百貨店の品物なども取り揃え、継続販売、生涯価値を向上させる。
【補足】
こちらの問題は、難問です。設問文や問題文からヒントを見つけていきましょう。設問文の”生涯価値を高める”という文言から、生涯価値を高める=継続的な関係性=問題文の”日用品は購買感覚が短いので、B社が顧客との継続的な接点を作りやすくなった”という文章を見つけて、解答に紐づけましょう。また、設問文の”中小建築と連携”から、問題文で中小建築に関わる部分を探しましょう。そうすると、”介護のための改装も増加している”というヒントが出てきます。日用品の取り扱い×介護の改築需要を中心として回答を組み立てていきましょう。
第4問(配点 25点)
B 社は今後、シルバー世代以外のどのセグメントをメイン・ターゲットにし、どのような施策を行うべきか。図を参考に、120 字以内で助言せよ
<ポイント>
グラフからヒントを見つけ、30代子育て世代を見つけましょう。またそれに付随する市役所との連携、強みの保育知識も押さえておきましょう。全体設問に対する解答を見渡して、利用していない強みがあるか?という観点から、現社長娘の保育士の知識を頭に思い浮かべ、解答に盛り込むようにしましょう。
<解答例>
30代の子育て世代をターゲットとし昼寝用布団等の子供用寝具や保育園用品等を販売する。市役所と連携し、子育てに関わるイベントを開催し、丁寧な接客等で差別化を図り顧客の関係強化を図る。
まとめ
強み×機会×地域貢献を念頭に置き、顧客愛護と口コミの誘発を促す施策につなげるような構成を意識し、問題を解答していきましょう。また、改めて事例Ⅱの攻略法の記事をご覧いただき、どうやって解くかをイメージしていただければと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?