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当事者になる ⑤不動産会社への訪問

伯母の最寄支店から連絡を頂いて、一週間後の日曜日に支店
を訪問しました。
連絡を頂いた際に、伯母の住所は伝えており少しこちらで
調べるので時間をください、と先方から言われておりました。
応接室に通され、担当のTさんから説明をして頂きました。
客観的にみた伯母の不動産の状況を事細かくTさんは説明
してくれました。

まず、伯母ご自慢の建物(家)は耐用年数の関係で全く
金額がつかないこと。亡くなった伯父は車の運転をしなかった
ため、土地にカースペースが無いのもマイナス点になること。
近隣の土地の相場感と、実際に売却された金額のデータ等。
このことは私が伯母にそのまま説明し切れない、と感じました。
施設の待機待ちをしている今、すぐに説明をするより施設の
空きが出たタイミングで直接伯母様に私から説明しましょう、
とTさんは請け負ってくれました。

誠実なTさんの申し出に甘えることにして、やはり相見積もり
は取らずにこのまま話を進めてもらおうと心に決めました。

この施設待機待ちをしていた期間は約2か月でした。
その間、伯母は一人で粛々と家の片づけを進めていっていました。
家事の中で片付けが一番好き!と豪語していた伯母。
もともと綺麗好きでいつも片付いた家の中でしたが、物はそれなり
にあったはず。

このころ2、3週間に一度はお宅を訪問していた私は本棚から
本やたくさんあったアルバム類が少しづつ消えていっている
ことに気づきます。
片づけが不得手な私は、伯母の潔さに感服するとともに、その
精神力の強さに心を打たれます。
自分で自分の「思い出」を始末する。
身内ながら、伯母に対して畏敬の念を抱くようになりました。
「何事もきちんとしているのが好きなのよ。」そう常々言って
いた伯母。
マイペースだけど、それにほんのちょっと我儘だけど、やる
べきことはきっちりやる。
果たして私がこの年齢の時にそれが出来るのだろうか、と
思ったら、久方ぶりに血圧があがってしまいました。。

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