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いよいよ4月1日から始まる時間外労働規制 2024年問題 

いよいよ1ヶ月を切った #2024年問題 物流・運送業の時間外労働規制施行。

『野村総合研究所は、対応をとらなければ(残業時間規制によるドライバーの残業代減額に伴う離職率増加により)人手不足で30年には全国で35%の荷物が運べなくなると推計。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏は「今の物流はドライバーの長時間労働で支えられてきた。(2024年問題の)解決には、いかに効率を上げられるかが鍵となる」と話す。』

全国に衝撃が走った、この野村総合研究所の統計。
この統計により、2024年問題が大きくクローズアップされることとなりました。

元々トラックドライバーは「全産業平均より労働時間が2割長いのに、収入は2割低い」職業と言われています。
そこで政府は「働き方改革」と称し、「労働時間が2割長い」のみをクローズアップして、働き方改革関連法案を2018年に可決され、2019年に順次施行されてきました。
その中で建設、物流、医療業界では長時間労働が常態化し、上限規制を直ちに導入することは困難として、その法施行を5年間猶予した経緯があります。

そんな中で上に述べた野村総合研究所の統計により、ようやく2024年問題が注目を浴びるようになりました。
そしてそんな統計に対する現在の政府の対策は「労働時間が2割長い」ことと「全国で35%の荷物が運べなくなる」のみにしか対策を打っていません。

その最もな例が「大型トラック速度制限緩和」です。

「残業代減額により生じるトラックドライバー離職に伴うドライバーの人手不足を補うには、トラック1台の速度を上げてそれにより輸送量を今まで通りキープしよう」というまるで素人が考えるような安易な発想、しかもそれだけで輸送量のキープは恐らく出来ない、という体たらく。

この問題の一番の根幹は「残業規制が始まり残業代減額により生じるトラックドライバーの離職に伴う輸送量の低下」が一番の問題なのです。
不思議なことに、その問題に政府関係者が具体的に動いたという話を聞いたことはありません。

これまで、日本の物流業界はトラックドライバーの長時間労働により支えられてきました。
多くのトラックドライバーたちは好きでハンドルを握り、1990年の物流二法規制緩和などの様々な規制緩和、逆に多くの規制にもなんとかその都度対応してきた、この30年でした。

大変だけど魅力のある職業だと思います。
だから自分は長年続けてきました。

だが、そのドライバーの善意に支えられてきた業界も、いよいよ限界にきたのかもしれません。

日本社会を覆う、「#命より経済」「#消費者至上主義」の犠牲になる多くのトラックドライバーたち。

そしてその犠牲は、回り回って消費者、そして日本経済全体をも地盤沈下させるかもしれません。

2023年9月12日、自分が三鷹市議会に2024年問題に対する請願書を提出した際の趣旨説明の冒頭で、議員や傍聴者、市の職員の前でまずこう訴えました。

「皆さん、本日の朝ごはんは何を食べたでしょうか?お昼ごはんは何を食べたでしょうか?昨日の晩ごはんは、昨日のお昼ごはんは。そしていま、皆さまが着ている洋服、手を置いている机。指に持っている、ボールペン。いきなりこのような発言、大変失礼だとは思いますが、敢えて言わせていただきました。なぜ、このような発言をしたのかといいますと、私も含め、現在私たち日本人が生活する上で、全ての生活用品、全ての食糧品、その他全ての物が少なくとも一度は必ずトラックの荷台に収まり、日本全国全ての消費者に届けられているのです。」

いよいよ4月1日から始まる、働き方改革。

1990年の物流二法法改正から始まった、物流の崩壊。

最高速度の緩和でやってる感を演出している政治家に振り回され、肝心要のドライバーの賃金の事は誰も触れずにいよいよ4月1日から“働き方改革”が始まります。


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