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「ご出身は?」の質問に悩む

「ご出身は?」「どちらの出身ですか?」

大人になると良く聞かれる質問だ。初対面の人との会話では必ずと言うほどでてくるフレーズではあるが、この質問の回答にいつも私は苦労する。

我が家は父の仕事の関係もあって引越しが幼少期に多かった。生まれは埼玉県であるが、西日本、海外のアフリカのケニア(ナイロビ)にも住んでいたことがある。母親が標準語で話すこともあり、私も標準語で話していたと思う。ケニアでは日本人学校に通っていたが、同級生は標準語が大半だったし、そうでなくても標準語に染まっていった。

帰国して最終的には四国に住んでいたのだが、もはや標準語が抜けることなく、方言を知ってもあえて話そうとは思わなかった。

「東京弁は女みたいだ!」とからかわれ、覚えた方言を使うと今度は「しんどい、とか真似してる」(本来これらの言葉も方言なのだが忘れた)と言われた苦い思い出がある。大人になってから思い出すと、大したことではないのだけど、十代の頃はそういう些細なことが意外と心に引っかかったものなのだ。

関東に戻りたいという気持ちもあって大学はあえて関東地区ばかりを受験して、結果的に横浜で大学時代は過ごした。その後も神奈川県民が続いたのだが、その後の転機で東京都民となり、もう15年以上になる。

さて、お題に戻って「出身地」の定義はなんだろう。なんとなく、育ったところや故郷って思う。そうなると自分はどこになるのだろう?色々調べてみたが、下記サイトにまとまっている通りだった。

・「出身地」の定義はない
・国交省の定義として「15歳まで最も長く住んでいたところ」という定義がネット上にあるがソースがない
・ウィキペディアには「●●出身」と記載される人がいるが出身地のガイドラインはなし

結局のところ、「出身地」の定義はない、というのがいまのところの答えになる。こうなるともはや自分が「出身地」と思うところが出身地とすれば良いともとれる。そう考えると自分が色々な体験をして長い間住んでいた「横浜」を出身地にしたい。次点として15歳までで自分にとって一番刺激的で、かつ、感受性を育んでくれたケニアだw

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この話を親にしてみたら「あなたの出身地は横浜じゃないわよ」と譲らなかった(笑)。どうやら四国の実家を出身としたいらしい。

でも良く考えて欲しい。そもそも出生地でもない。方言もわからないし、しゃべったこともない。食べ物だって、母親が関東出身だから関東風味で関東味付けだった。その土地の文化もあまり詳しくなから、愛郷心もそこには無い。自然と触れ合う時間が多くて、都会では体験できない事も出来て良い思い出もある。別に憎んだり嫌っている訳ではない。ただ、そういう状況だけに出身地とはなんだか思えないのだ。あの、方言を使うのを躊躇っていた自分がふと思い出されるのだ。

英会話の先生達にこの話をしたら,生まれたところを言えばいいよ、とアドバイスされたので、日本国内で、Where are you from? に対しては、I was born in Saitama and ... と答えている。

出身地や故郷がある人はある意味羨ましい。

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