お父様は何者?
一般的に社長秘書というと、お家柄が良かったり、お嬢様大学卒業だったり、を想像する方が多いようです。
「お父様は何をされているの?」
私がよく聞かれる言葉です。
しかし、残念ながら私はその質問の期待に応えられません。
その期待通り、いや、期待以上の答えを屈託なく言えたらどんなに素敵だろう、と妄想したりしました。
外国人の秘書をするには英語力が要るので帰国子女の方が多いです。
親が海外赴任をするということは、それなりの家柄や家庭環境が伺えます。
しかし私は
「親は田舎に住み、私は自然豊かな環境で野山を駆け巡り川遊びをして育ちました」
と、事実で受け流します。
「じゃあ、実家は地方の名士の家とか?」
と、まだ食い下がってきます。
私の育ち方についてはあまり語りませんが、一言で言えば
「独立自尊」
今思えば最高の教育方針でした。
残してあげられる財産がないので自立の精神を持ちなさい、ということでした。
良い意味で諦めが早くなり、親に叶えてもらえないこと、家で学べないことは外で学ぶ精神が身につきました。
ひたすらアルバイトをして留学費用を貯めて渡米し
おもてなしの下手だった実母にかわり、留学先のホストマザーからホームパーティーのスタイルを学び
外食が殆どない家だったので社会人になってから外食のマナーを学び
子供のころピアノを習えなかったので大人になってから習ったり
親から与えてもらえなかった分、後発となりますが、自分の力でかなりのものを手に入れられることを知ります。
出来れば華麗なる親の経歴などを語り、そういうブランドをも持ちながら自分自身も輝きたいところです。
しかし独立自尊の精神の経歴や立ち振る舞いを歓迎して私を秘書として採用してくれた外国人の上司達に感謝しています。
彼らは自らはお家柄、学歴、経歴全てが素晴らしいのに、私には高い学歴も、お家柄も一切問わず、今の生き方、コミュニケーション能力、責任感を重視して採用し、信頼してあらゆる事を任せてくれました。
そして彼らから更に多くを学ばせてもらいました。
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