みや

とある再会エピソードを綴ります。

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最近の記事

へいちゃん

上手ギタリストと再会した日に私が得た物は、上手ギタリストの電話番号とLINEとInstagramと通話と脱退理由を含む当時の裏話と本名またはあだ名で呼ぶ権利と今の仕事の話と翌週の休日にドライブに連れて行ってくれる約束というものだった。 「あれ?ワイの本名知らなかったっけ?」 知っていたかもしれない。でも記憶が無い。本名の一部をギタリスト名に使っていた事だけは覚えているが、当時、ファンとして弁え敢えて踏み込まずにいたのか、バンギャル卒業と同時に記憶を手放したのか。 ボーカル

    • Instagramと鈍器

      「先程はご来店いただき、ありがとうございました。お住まいの地区も知らないので、まさかと思いつつ、でも上手ギタリストさんだと確信したのでお声をかけさせていただきました。私の名前まで覚えていてくださり、嬉しかったです。ありがとうございます。」 いったい他に何を書けば良いのだろうか。 26年前の青春の走馬灯と共に上手ギタリストに「ヨロシクね!!」とレシートに走り書きをされた電話番号にショートメールを打つ手が止まる。 「私こそ、ヨロシクお願いします(*^^*)」など打てるわけが無い

      • レシート

        夏休み真っ盛りの日曜日、勤め先の量販店は朝から川遊びに行くのであろう家族連れや、お盆の準備をしたい高齢者夫婦などでごった返しており、私はレジをいかに素早く捌かという事に必死になっていた。 私の立つレジは店の入口から2m、店内で一番入口に近い場所にあり、出入りする客を目視しながら会計を進める癖がついている。 とある男性客が入店したのを目視した。私はここ1週間程、この男性客の再来店を密かに、密かに待っていた。 歳の頃は50前。アトピーだろうか、少し青とピンクを含んだ灰色の肌。パ

      へいちゃん