拝啓 ご贔屓さま

こんにちは、お手紙を書くのは久しぶりです。
最後に舞台で拝見してから、だいぶ日が経ってしまいました。
お元気でいらっしゃるでしょうか。
お元気でいてくれれば、それだけでいいです。

…とこんな感じのお手紙を、この半年で何回も何回も(脳内で)書いています。コロナ禍で公演の休止が続き、ようやく最近は(座席は半分だけど)幕が開くようになって、それでももちろん遠くまでは観に行けない。前と同じような気軽さでも行けない。…という日々が続いています。

自分の体調が万全なら、必要な感染対策をした上で劇場にも行き始めましたが、今はお手紙も差し入れも渡せません。そんなわけで、脳内でお手紙を書いていたわけですが、どうにもまとまらないのでここに書くことにしました。

今、観劇に対していろんな姿勢の方がいると思います。わたしは自分の体調が万全で大丈夫だと思えれば、近くの劇場には行きたいと思うし行ってますが、まだ自粛しようという方もいらっしゃると思います。事情は人それぞれなので、どっちが正しいとか間違ってるとか、そういうことではないと思うんですよね。(もちろん行くにしても必要な対策は取った上でという前提で)自分や同居人の体調・持病や、重症化リスクが高い人と接する頻度とか、職業上の理由とか、病気に対する恐怖心とか、みんなそれぞれ違うからね。

そしてそれは、役者さんにとっても同じことだと思うんです。劇団四季では、舞台に出る前に感染リスクについての確認をする、といった旨をこの前クローズアップ現代で見ました。(実際どういった手続きなのか詳細はわかりませんが)マスクをして黙って観ている私たちと違って、俳優さんたちはリスクを背負って出てくれてる。覚悟した上で舞台に出てくれている俳優さんたちには本当に感謝しかありません。そして同時に、出ていない俳優さんたちが、お元気でいてくれることを祈っています。

正直に言えば、舞台の上でご贔屓様に会いたい気持ちはあります。だけど、感染のリスクを背負って出てくれなんて、言えない。そんなことは頼めない。もちろん、ご本人がご自分の意思で出ると決めてくれたら全力で劇場に向かいますけど。

ご贔屓様が、今どこで何をしているのか、わたしには分かりません。出る気満々で、次の役の準備をしているのかもしれないし、色んな事情で今は感染リスクの高い場所には出られないのかもしれないし(そうだとしても、出られるようになったときのための準備をしていると思うけど)、なんにせよ、とにかくお元気でいてくれたらいいです。舞台に出て欲しいとは言わないから、とにかく、お元気で、無事でいてください。

なんだか観劇がなかった期間に悟りを開いたようになって、どんどん無欲になっている気がします。まあわたしのことなので、また前みたいに舞台が楽しめるようになった日には、あれが観たいだのこれに出て欲しいだの、イベントをやって欲しいだのあーだこーだ欲張りだすに決まっているので、今のところはただお元気でいてください。

そして、フォロワーの皆様も、お元気でいてください。今は劇場に行ける人も行けない人もいるし、前みたいにみんなでわいわい集まったりできないけど、みんな、いつかまた劇場のロビーでわいわいしましょう。それまではツイッターでいっぱい話しましょう。四季の話できないと寂しいからおしゃべりしてください。笑


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