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日本のコンサート、盛り上がらない問題

わたしは音と酒に溺れて踊るのが大好き。毎週土曜の終電で友達と渋谷に集合し、そこからその日楽しそうな渋谷・代官山・青山・六本木のクラブ、もしくはバスに乗ってageHaへ遊びに行くのがお決まりだった青春を過ごしました。(世代がバレるw)ロックはあまり聞かないのでロックフェスには縁がないけど、山奥のレイヴにもよく行きました。そんな人間なので、コンサートへ行けば始まる前からテンション高く爆踊りするのが普通。

高校生のとき、友達に連れられ初めて行ったL'Arc〜en〜Cielのコンサートでもhydeさんに煽られるままバキバキに踊っていたのですが、後ろの列のカップルに「前の奴、本当うざい〜」と聞こえよがしに文句を言われたことを未だに覚えています。

来日したBruno Marsのライブでは、開演前に調子よく踊っていたら「あの人、最後まで持つのかね?」とわたしよりだいぶ若そうな女の子に笑われたこともありました。「こちとらヒールで朝まで踊ってきたんじゃ、ライブの数時間くらい余裕だわ」と心の中で毒づいた思い出。

わたしは女性の中でも小柄な方だし、ペンライトやボードなども持たずに身ひとつで参加するので、誰かの視界を遮るようなことはやろうと思ってもできません。誰の邪魔もせずに音楽を体全体で楽しむことはそんなに悪いこと?

日本でコンサートに参加すると、相互監視ムードが強くてなんだか素直に楽しめない。そんなことが度々あるけど、一体なぜなんだろうと不思議でした。

わたしは海外のコンサートはアメリカでしか参加したことがないけど、ノリも自由、服装も自由、みんな大声で歌って踊って、余計なことを考えずにその瞬間に没頭できる。席からはずれて通路でダンスしてるカップルとかもいるけど全然気にならない。この違いはなんなんだろう?

音楽と日常

わたしの子供はアメリカとメキシコで学校に通った経験があります。そのどちらでも学校主催のイベントで「DJが音楽をかけて子供たちが自由に踊る」ということが小さなうちから当たり前に行われているんです。

アメリカのプロムパーティーは映画やドラマで有名かと思いますが、イベントごとで踊るということを誰もが経験します。結婚式でも必ず踊りますよね。

メキシコはパーティー大好きな国なので、コロナ禍だろうが週末には必ずそこかしこでパーティーが行われ、マリアッチが生演奏して老若男女が歌い踊ります。

音楽が鳴れば、歌えと言われてなくても歌うし、踊れと言われなくても踊る。そういう音楽の楽しみ方が当たり前に染み付いているんだなと思います。

また、お隣韓国は歌を歌うのが好きな人が多くて、トロット(日本でいう演歌のような歌)を若い世代も楽しんでいたりしますよね。何かの集まりのときに歌うことも多いと聞きます。


日本にはダンススクールがたくさんあるし、有名なダンスチームやプロダンサーを多数輩出するダンス大国ではあるけど、音楽に合わせて自然に体を動かすというよりもコレオ(振付)を踊るのが好き・得意な人が多いのかなという気がします。

カラオケ発祥の地でもあり、歌っていい環境が整っていれば歌いたい人はたくさんいるけれど、日常で音楽をシェアして楽しむ機会は少ないのかもしれません。

「こういう風に踊ってください」「ここでは歌っていいですよ」と指示や許可があれば頑張るし楽しんでできる。そういうお国柄なんだろうなと思います。

鑑賞するのか、参加するのか

そういったお国柄から、日本ではライブパフォーマンスに対して「鑑賞する」という態度で臨む人が多いのかもしれません。ミュージカルでも日本の観客は反応が薄いと言われますが、おそらく映画やドラマを観るのと同じように観たいんですよね。この場で歌っていい、踊っていいのは演者だけ。自分はそれを見に来たんだ、という。

「アーティストの歌声が聞こえにくくなるから」「俳優のセリフが聞こえないと困るから」と自分以外の観客も静かでいることを望む人も一定数います。しかし、ライブパフォーマンスは観客の反応も演出の一部。アーティストの声が聞こえないくらい観客が盛り上がれば、アーティストにとってはこの上ない幸せだし、観客も絶対楽しいはず。(実際には、マイクを通した声が聴こえなくなることはまずありません)

静かに一音たりとも聞き漏らすことなく、何ひとつ見落とすこともなく鑑賞したいなら、映画館でライビュを見たり、おうちのテレビで見るのがいちばん。誰にも邪魔されず心穏やかに鑑賞できます。

鑑賞派の人たちも、たまには「アーティストの魔法にかかって、自分自身が音楽と一体になりその場を一緒に作り上げる」ことをしてみてもいいんじゃないかな。コンサートという非日常で人目を気にせず自分を開放すると、思ってもみない感動に出会ったりするから。戸惑いや遠慮もあるかもしれないけど、まずは自分がこの一生に一度の機会に心を開いてみる。そうすれば自然と周りのあれやこれやも気にならなくなって、取り憑かれたように爆踊りする小柄な女がいても微笑ましく見ることができるようになります。

ユンギの愛

わたしは日本でアイドルコンサートに行ったことがないけど、もしかしたらステージからの景色はペンライトとうちわを持った地蔵が並んでる感じなのかもしれません。

演者がどんなに盛り上げようと歌声を張り上げても「鑑賞する」という意識そのものは変えられない。(映画館で面白いインド映画を見てもその場で歌い踊り出すことはないのと同じ)

だからユンギは「ライブは鑑賞するものじゃなく参加するものだよ」と伝えたくて、具体的な動き(ジャンプしよう、歌おう、踊ろう)を教えてくれたのかなと思います。それが日本人を動かすにはいちばん有効だとちゃんとわかってるのが凄い!観客が自分の思い通りの反応をするか審査しているのではなく、一緒にこの時間を楽しもうというメッセージ。愛しかない。

だから参加した方も「ユンギに褒められるかどうか」ではなく「自分が楽しいかどうか」にフォーカスしていれば良いのだと思います。何が起きようが自分さえ楽しければ100点満点なんだから!

ユンギのイルコンは3日間とも最高だったみたいで本当によかったです!

わたしも日本に一時帰国した際にはできれば何かライブに行きたいなと思っているので楽しみにしています。今度こそ文句言われませんように。



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