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伯母さんにもらったラジオ

今年80歳になる伯母にラジオをもらった。
従姉が小中学生の時に使っていたものらしい。
音楽で身を立てている彼女のことだから、きっと洋邦楽問わず、さまざまな曲を聴いていたのだろう。

調べたところ、1977年製のナショナルのラジオ。
「National Panasonic」
と併記されているのが時代を物語っている。

デザインも非常にシンプルで良い。
この後、きっとラジカセ時代を迎えて多機能化してデザインが複雑になっていったのだろうか。

電池カバーを開けると劣化して粉だらけになった単1電池が3本漬け込まれていた。電池を外して接触部分を丁寧にクリーニングする。本体も磨いて拭いて掃除をしたらピカピカになった。スピーカーに貼られたステッカーはこのままにしておこう。

新しい電池を入れて恐る恐る電源を入れたら「サー」という音が。
81.3に合わせると、懐かしい音が流れてきた。昔持っていたAIWAのラジカセを思い出させる音だ。

普段、車やRadikoを通して鳴る音とは違う、どこか遠くから聴こえてくるような音。何だろうな、この暖かい感じは。

娘を寝かしつけた後、岩崎宏美の番組を聴いていた。
彼女が薦める飛鳥涼の名曲として「Midnight 2 Call」というバラードが紹介された。
久しぶりに別れた二人が再会するという歌。
シブがき隊に提供された曲とのことだけど、80年代のASKAらしい、氷の中にいるような冷たい感じがするんだけど、切々と歌い上げるような。そんな曲だった。

2番目のサビが終わる頃、寝室から娘が呼ぶ声が聞こえた。
寝言だった。


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