【アイルランド珠玉の歌】シリーズ1.3
アイルランドは歌の国ともいえます。復活祭蜂起(1916)にも唄われ、もとは花嫁を家に迎えるときの歌だったともいわれる革命の歌「ようこそ、おかえり」をながめています。
行進の歌といわれます。確かに兵士たちが行進する時にも唄われます。が、花嫁を家に迎える場合は、夫の家への行進です。
アイルランドはこのように元は愛の歌が政治的な歌になったりします。そこで、政治的な歌を唄っているように見せかけて、元の〈きみの方が百頭の乳牛よりずっと好きだよ〉などという歌詞を素知らぬ顔で混ぜたりします。
あるいは逆に、愛の歌のようにイギリス軍には聞かせておいて、その実、蜂起のことを分かりにくい歌詞で仲間に伝えたりします。アイルランド語はよく解さぬ外国人に対して暗号のようにも使えるのです。
歌は3連とコーラスから成ります。その第1連を見てみましょう。
・第1連
・’Sé do bheatha! a bhean ba léanmhar!
・B’é ár gcreach tú bheith i ngéibheann,
・Do dhúiche bhreá i seilbh méirleach
・’S tú díolta leis na Gallaibh.
・語彙集(英訳)
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