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[書評] 大日月地神示(前巻)

大日月地神示(前巻)(野草社、2018)

2006-16年に神人氏に降ろされた神示

縁ありて本書をよむことができた。ここで〈よむ〉とは音読すること。

本書前書きに音読するようにと書かれている。音読するわけは、人と霊との両方に聞かせるためであると思われる。書かれた文章は、読者以外に霊的な存在へも向けられている。

本書をよんだ結果は〈御魂相応〉に表に顕れ始めるとのこと。したがって、受止める存在の魂に応じて結果が顕れ始める。

巻頭の著者説明によれば、本書は〈かつて岡本天明氏が自動書記にて降ろされた文章を、矢野シン女史が解読なさり世に伝えられた『日月神示』(別名・ひふみ神示)の続きであり、間違って伝えられていたことや伝えきれなかったことに対して補足する内容も含まれているようで、現代版の神示とのこと〉。

ひふみ神示(一二三神示)はよく知られており、その独特の文体と同じ文体が本書にも現れる。ひふみ神示に親しんでいる人なら、本書は抵抗なくよめると思われる。

本書は、すみずみまで配慮の行き届いた本で、手にとった第一印象は、うつくしい。本書に引き合わされた人は、本書との出会いに、心がすみわたるような思いを感じることだろう。

ことばが、見てうつくしいだけでなく、声に出してうつくしい。大げさに聞こえるかもしれないが、音が原子に共鳴し、ふるわすような感じがする。

著者に神示を降ろした存在は複数あり、次のように名乗る。

天(あめ)の日月(ひつき)の神
艮金神(うしとらのこんじん)
ひふみの神
大日月地大神(おおひつくおおかみ)
艮大神(うしとらのおおかみ)

本書は、ことばとしては、殆どが平易なことばであるが、ときどき、意味や脈絡のわからないことばや、読み方のわからない記号(図形)のようなものが出てくる。文体としては、殆どが散文であるが、ときに唄われるべき歌が現れる。歌にはふさわしい調子があるのかもしれないが、読者としては感ずるままに朗詠するほかない。あるいは「あわのうた」のように唄うのかもしれない。

記号(図形)の意味や読み方は、本書と、『日月神示』とで、異同があるように思われる。

本書の構成について。

『大日月地神示』(おおひつくしんじ)は前後2巻から成る。

前巻は本書『日月地神示』(ひつきちしんじ)で、後巻が『大日月地神示』である。

本書の多くの神示で天の日月の神と名乗る神が、自己紹介をする箇所がある。興味深いので、引いておく。

この方、天の日月の神と申す。この度、靈人殿に岡本天明の御靈、守護神殿に艮金神殿、雨の神殿、風の神殿、巌(いわ)の神殿、荒(あれ)の神殿、地震の神殿、竜宮の乙姫殿、オオカムツミの神殿、スサナルの大神殿、皆々総掛りでご守護いたさすから、この者に伺って来て下されよ。これ世の立て替えの仕組みであるのじゃぞ。
(「し」の巻、87-88頁)

シャーマンである著者は、このような〈靈団靈人らの媒体となり、神示を降ろし〉ている(13頁)。

上に挙げられた神名のうち、スサナルの大神は、〈艮金神とは、素戔嗚大御神(すさなるのおおみかみ)のお移り変わりでありますのじゃぞ〉(「と」の巻、124頁)に出る素戔嗚大御神のことだろう。この神については、本書では〈ひとつ、艮金神様、素戔嗚大神様と表裏であるゆえ、同じ神として祀ろうて下され〉にも出てくる(「に」の巻、133頁)。

2007年に降ろされた神示のなかに、2020年代以降に現れる現代情勢への言及ではないかと思われる箇所があり、興味深い。

〈オロシヤもそろそろ大きく動くぞ。覚悟いたせよ。食う物貯えよ。無くなってゆくぞ。自分らで産めよ。皆で作れよ。まだまだ雨も風も吹くから、食う物作りなされ〉(「や」の巻、202頁、2007年6月1日 艮金神)

〈メリカも変わるぞ。無くなるぞ。〉〈現れる。洗われる。救世主(アラー)我(われ)居(い)る。うしとらこんじん、あらわれる〉(「り」の巻、223頁、2007年12月31日 艮金神)

ここで、オロシヤはロシアの異称、メリカはアメリカの略訛と思われる。

#書評 #大日月地神示 #日月地神示 #ひふみ #神人

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