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[書評] 大日月地神示(後巻)

大日月地神示(後巻)(野草社、2018)

2014-17年に神人氏に降ろされた神一厘の壮大な仕組み

またも縁ありて、本書を読むことができた。前巻と同じく、著者のすすめに従い声に出して読んだのだが、後巻は前巻(245頁)に比して大幅にページ数が多い(349頁)だけでなく、内容においてもずしりと重い。

どう重いのか、簡単に説明できないくらい、内容が壮大で深い。かと言って、読後感が重々しいかというとそんなことはなく、かえって身も心も軽くなったように感じる。すがすがしい氣に充ちている点では前巻と同じだ。

前巻では、著者に神示を降ろした存在は、天(あめ)の日月(ひつき)の神、艮金神(うしとらのこんじん)、ひふみの神、大日月地大神(おおひつくおおかみ)、艮大神(うしとらのおおかみ)だった。

後巻では、著者に神示を降ろした存在は、次のように名乗る。

ウの神
大日月地大神大靈団(おおひつくおおかみおおれいだん)
大日月地大神靈団(おおひつくおおかみれいだん)
大日月地星大靈団神々御靈(おおひつくほしおおれいだんかみがみおんたま)
大日月地星靈団御靈(おおひつくほしれいだんおんたま)
大日月地大神靈団御靈(おおひつくおおかみれいだんおんたま)
大日月地大神御靈(おおひつくおおかみおんたま)
大日月地大神大靈団御靈(おおひつくおおかみおおれいだんおんたま)
大日月地御靈(おおひつくおんたま)

本書では、大日月地大神大靈団御靈による神示が多い。

この神々の靈団による神示は、そのまま来るのではなく、間に靈団靈人が入って、人間の言葉にしている。それを著者の神人氏が自動書記の形で書きとめる。

前巻は平易なことばが多く、読みやすかったが、後巻はときに深遠な内容になり、時空を超えるという言い方でも足りないくらいの域に入ってゆく。

しかも、その内容は、これを読む一人一人の心の中に探れというのだから、想像を絶する。

心の中のことは、例えば、次のように書かれている。

己、心の器の中にある念頂いて生きておりますのじゃ。[念の]出所は色々あると申したなれど、十二ある川より流れ来て注がれますぞ。一つの川の元はさらに五つの川に分かれており、さらに元は五つずつどこまでも分かれておりますぞ。元の元の元を辿れば、湧き出ずるは神々様の泉から脈々と流れ来るのぞ。澄んだ水のごとき念頂けば澄んだ思いとなりて生きられますぞ。念の流れ、皆々己で選べますのじゃぞ。分かりたか。
(三十七、199頁、2016年7月22日 大日月地大神大靈団御靈)

これが、本書に繰返し現れる〈元の元の元〉の説明の一例だ。頭がくらくらするようなこの階層構造のくだりを読んで、グノーシス主義文書の『ヨハネのアポクリュフォン』の十二のアイオーンのくだりを思いだした(「プレーローマ界の生成」の四つの大いなる光)。両者の思想的系譜は全く異なるとは思うが、宇宙論的な広がりにはある種の共通性を感じる。

この世の偽りの支配者たちは九分九厘まで有頂天になって支配を続ける。ところが、最後の一厘で思いもかけぬどんでん返しがあり、ひっくり返る。これが〈神の筋書き〉だ(三十四、186頁)。

その神一厘の壮大な仕組みが本書に書かれており、それを覗き見ようとする勢力に対しては、覗き見くらいではわからないようにしてある。本書を声に出して読まねばわからないのだ。

ただ、ひとつ安心できることは、本書によれば、その支配者の大将たちは既に追払われており、あとは残党がいるのみだという。その残党たちに気をつけよというのが、本書の主旨だ。

本書では個別の神による教えというより、神々の靈団が宇宙的なスケールで教えを伝える。それは文字通り人智を超えたスケールで、一度読んだくらいではわからない。

靈団は本書を千回よむことをすすめている。

2016年に降ろされた神示のなかに、現在の世界情勢を示唆するかのようにも思われる箇所があり、興味深い。

〈地を動かし、雨風起こし、命あるもの殺め、神に成りすましておる者おるぞ。人民、目醒まさねば子や孫、苦しめられるのぞ。〉(二十九、165頁、2016年5月1日 大日月地大神大靈団御靈)

〈真(まこと)の神と魔(ま)の科学との戦(いくさ)であるのぞ。地揺らし、雨降らし、風吹かし、魔、神に成りすましての悪行の数々いたしておること、天の靈団皆々分かりておるのぞ。(中略)地の大神様と、土(つち)の星の悪魔ら植え付けた魔の科学との戦の最中でありますぞ。〉(二十八、162頁、2016年4月17日 大日月地大神大靈団御靈)

天変地異と見えるものも、実は魔の科学の悪行であると天の靈団は言うのである。〈悪魔らに切られておりた頭の回線、遺伝子の仕組み、元に戻して参りますぞ。〉とも天の靈団は宣言する(二十五、143頁)。

(日本における)悪の敗北について、神一厘の仕組みが次のように述べられる。

神世(かみよ)とは、人民靈人好き勝手ならん世ぞ。悪魔らが仕組んだ監視の世ではないのであるぞ。悪魔らの仕組み、皆々失敗いたしておるのぞ。真(まこと)の神、靈団には勝てぬのぞ。日の本、雨風起こし地揺らし、水に土に空に食べ物に毒撒いて、人民病(やまい)にさせ殺める計画、九分九厘いたして来たなれど、失敗いたしたのであるぞ。
(四十、214頁、2016年12月26日 大日月地御靈(おおひつくおんたま))

#書評 #神人 #大日月地神示

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