[書評] NEO人類創世記
松久正『NEO人類創世記』(ヒカルランド、2022)
アダムとイブの創世記を書き換える
現代のわれわれに伝わる聖書が書き換わったものとの話は昔からある。
本来はこう書かれていたと主張する〈聖典〉〈外典〉〈偽典〉の類は多い。しかし、知る限りでは、旧約聖書の最初の書である創世記について、ここまで違う内容を提示した書はおそらく初めてではないか。(ヨベル書もチェックした。)
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創世記でアダムとイブにからむ次のポイント。
① 神がまず自然を全部つくり、人間以外の生命もつくった。創造の6日目に人間をつくった。(創世記1章)
② 主なる神はまず人(アダム)をつくった。エデンの園のすべての木から取って食べなさいと命じたが、善悪の知識の木からは決して食べてはならない、食べると必ず死ぬと告げた。主なる神は人から抜き取ったあばら骨で女をつくった。(創世記2章)
③ 蛇が女に、園の中央に生えている、食べてはいけないと言われた木の果実を食べても、決して死なないと告げる。そこで、女はその木の実を取って食べ、一緒にいた男にも渡し、彼も食べた。神は罰として、女のはらみの苦しみを大きなものにし、男は働かないと生きていけないようにした。(創世記3章)
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結論からいうと、本書はこれらをほぼすべて否定する。かなり詳しく述べられるが、要点だけを記す。
① については、46億年前(著者のリーディングでは460億年前)に、宇宙意識がこと座のリラ星を通して地球をつくった。35億年前に地球に人類の種(人類の祖先、著者は「プリヒューマン」と呼ぶ)を入れた。それ以外の昆虫、動物、植物は、それ以後(20億年前)に入った。
② については、プリヒューマンを入れるときに、オリオン星文明に関与させた。プリイブ(オリオン星文明のポジティブエネルギーと共鳴する)とプリアダム(オリオン星文明のネガティブエネルギーと共鳴する)とを地球に移入させた。プリイブとプリアダムは、一人一人でなく集合意識として存在していた。
③ については、5億年前(著者のリーディングでは50億年前)に、蛇(オリオン星のネガティブ文明の宇宙存在)がプリイブに、あなたたちは地球の叡智とのみつながっているが、宇宙の叡智とつながればもっと進化できると、そそのかした。このそそのかした部分は旧約聖書が当たっていると著者は指摘する。
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概要だけ述べてもあまりピンと来ないと思われるが、評者が驚いたのは、① については、よく言われるレプティリアンのレの字も出てこないこと。また、③ の木の実は、通説のリンゴでなく、ある赤い実であり、それを食べると松果体エネルギーが活性化し、一気に覚醒に向かうということ。
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ここまでで全体の約半分で、そこからあとは少しむずかしい。本物のイブがつい最近(2021年12月2日)、著者によって地球に戻され、女性性が復活するという慶事があったと記されていることだけ記しておきたい。人類は生まれ変わったとのこと。
本書(紙冊体)の本としての特徴に最後にふれると、わずか140頁弱の本であるが、〈特別な本〉という感じが読んでいる間じゅうひびいてくる。全体に黄色を基調としたデザインになっており、栞ひもまで黄色だ。本文にはさまれる浅田恵理子のカラーイラストが楽しい。本書の場合は、電子書籍より紙の本のほうが楽しいと思う。
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