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[書評]一神教の終わり

ベンジャミン・フルフォード『一神教の終わり 悪魔の13血族とバビロニア奴隷管理帝王学の崩壊』(秀和システム、2021)

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秀逸な歴史観と現状分析

本書は、できれば直前に出た『世界「闇の支配者」 シン・黒幕 頂上決戦』(宝島社、2021) とあわせ読むといいだろう。

特に本書で初めてフルフォード氏の情報にふれるような読者は、図解などの見やすく整理された便覧をわきにおいて読むほうがよく分ると思う。

それにもう一つ。本書でふれられる「メシア」候補の人物の写真は、おそらく日本で初公開されたものだ。それのカラー写真が上記の宝島社の本には入っているので、その意味でもお勧めだ (本書の写真は白黒)。

日頃から氏の週報を熱心に読んでいる読者には、まさにどんぴしゃの内容だ。現代世界の情勢分析が毎週ものすごいボリュームと精度で送られてくるが、その背景となる歴史観や宗教観となると、週報のスペースでは十分に論じるのが難しい。それを本書では たっぷり述べている。

それに加えて最新の情勢分析が述べられており、この部分だけでも価値がある。

氏はジャーナリストであるので、自分の目で取材したか、自分が会って信頼できる情報源から直接聞くか教えられるかしないかぎり、基本的には取上げない。その点でネット上に流布する言説とは かなり性格が違う。

もちろん、ネット上にも精度の高い貴重な情報は存在するが、それらは情報の専門家以外には知られていないことが多い。

一番の問題はネット上の英語の発信には殆ど、本書が扱うような方面の重要な情報が含まれないことだ。

いみじくも、ある編集者が語るように、〈こうした闇の支配者=ディープ・ステートの写真って、ほとんどロシアの怪しげなサイトか、アラビア語のイエメン、カタールでしか見つからない〉のだ。

本書は時宜を得た東京オリンピックの話題 (IOC) を枕にして、世界を支配する2大血族 (米と英) の現代に至る血統を説明し、いよいよ本書の本題である一神教の歴史に分入ってゆく。そのうえで、一神教グループの勢力図と世界戦略とを描き出し、「グレート・リセット」の真相に迫る。

フルフォード氏のこれまでの著作や毎週のレポートを読んでいる人には頭の整理になる。

加えて、ディープ・ステートの「新救世主」候補の本邦初公開の写真まである。その候補とは、デイヴィッド・ロックフェラー・ジュニア (1941- ) とカール・フォン・ハプスブルク (1961- ) である。

いろいろな意味で目が醒めるような一冊である。

ただ、若干の校正不足が散見される点は惜しい。

#書評 #フルフォード #一神教 #グレートリセット

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