[書評]赤毛のハンラハンと葦間の風
イェーツの幻の物語(1897年版『秘密の薔薇』)
W.B.イェイツ『赤毛のハンラハンと葦間の風』(平凡社、2015)
1897年版『秘密の薔薇』に収められた物語「赤毛のハンラハン物語」の本邦初訳。くわえて、1899年の詩集『葦間の風』初版から十八篇の詩を訳してある。
本を手に取るよろこびが味わえる。小さな緑の本。背表紙に題名等が金箔押し。端正な函に収められている(函の絵は1927年版の挿絵から第二話の「縄ない」)。すみずみまで気の配られた本。大きさは同じ平凡社の東洋