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食品添加物の詳細 人工甘味料

今回は甘味料の話題の続編です。前回は甘さの観点から甘味料を大きく二つに分かれるという事を紹介しましたが、今回は別の分け方を紹介します。もう一つの分け方というのは、「糖質系甘味料」と「非糖質系甘味料」という分け方です。

糖質系甘味料というのは、砂糖などのような天然の素材のものや、でんぷんを原料とする糖質類です。したがって、炭水化物という位置付けになります。これ以外にも糖アルコールと呼ばれるグループ等が含まれます。

これに対して非糖質系甘味料のグループは、天然甘味料と人工甘味料の二つに分類されます。糖質を原料としておらず、化学的に合成してつくられた甘味料のことをいいます。合成甘味料は人工的に作り出したものなので「食品添加物」として分類されています。

この辺りはとてもややこしいので、もう少し整理が必要ですね。

このように考えてみてはどうでしょうか。糖質系とか非糖質系とかの分類方法とは異なりますが、天然甘味料と人工甘味料の二つに分けるのです。

天然甘味料は天然というくらいですから、自然界に存在している物質か、自然界にある物質と同じものを合成して作ったものとします。合成して作っていても、出来たものが天然に存在するものと同じ物質であれば「天然甘味料」というグループに入るのだそうです。これもまた混乱の原因になりそうな話ですね。そして、自然界に存在する糖質そのもの、あるいはこれを濃縮して作ったモノが「糖質系甘味料」で、糖質以外のものから合成して自然界に存在する糖質と同じものを作り上げたら「非糖質系甘味料」のグループに入る「天然甘味料」となるようです。

一方の人工甘味料ですが、こちらは自然界に無いものを人間が作り出した物質という事になります。人間が作り出した人工の甘味料人いうわけですから、人工甘味料はすべて合成甘味料であると言えますね。

また、天然甘味料は自然界に存在する糖質と、自然界にある物質と同じものを人工的に作り上げたものが含まれるということでしたので、この場合は人工甘味料と称さずに合成甘味料と呼んでいるようです。本当にややこしい。

どうやら、次のような分け方になるようです。

糖質系甘味料 = 天然甘味料(自然界に存在するモノを精製・濃縮したもの + 合成して自然界に存在するものと同じものを作り出した甘味料)

非糖質系甘味料 = 人工甘味料(自然界に存在する糖質以外のものから人工的に作り出した合成甘味料)

こう考えると、人工甘味料は「自然界に無い甘さを工業的に作り出したもの」ですから、果たして摂取して大丈夫なのかという心配も出て来ます。

人工甘味料が用いられるという事はそれだけメリットがあるからなんですが、いったいどのようなメリットかというと・・・、

①甘さが砂糖の数百倍~数万倍と言われるほど強い
②だから砂糖に比べるとはるかに少ない量で済むのでコストダウンが図れる
③甘さのわりに砂糖のようなカロリーがない(ほぼ0である)

こういった事でしょう。②は食品を作る側、③は消費する側にメリットがあると考えられます。とはいっても、人工甘味料自体に古い歴史があるわけではありません。ですから、使用してはいますが、安全性や健康に対する影響などの詳細については、現在も研究が続けられています。

さて、2023年の5月にWHO(世界保健機関)から人工甘味料に関するガイドラインが出ました。それによると、「体重管理や糖尿病などのリスク軽減のために人工甘味料の使用は推奨しない」と書かれています。これは、長期的に摂取を続けると「2型糖尿病、心血管疾患、死亡率の増加などのリスクがみられた」といった報告があるためなのだとか。

また、砂糖の摂取過多を防ぐためといってカロリーが少ない(ほぼ0の)人工甘味料に切り替えるよりも、甘いもの(食べ物や飲み物)全般の摂取を減らすことが大切だとも書かれています。この辺りも、研究途中といった話が多いようですね。このガイドラインでは、糖尿病の方は対象外とのことでした。そのガイドライン、読んでみませんか。

WHO guideline「Use of non-sugar sweeteners」

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