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日持ち向上剤

今回、食品添加物としての保存料の事を調べていて、日持ち向上剤というものが有るという事を初めて知りました。そんな名前自体も初めて聞いたと思います。これって、保存料とどこが違うのでしょうか。

日持ち向上剤ってなんぞやということですが、これは保存料と同様に食品の腐敗や菌の増殖を抑えるために用いるものです。その意味では保存料と同じですね。大きく違う点は、どれだけの期間有効かというところでしょう。保存料は有効期間が長いのですが日持ち向上剤は短期間、具体的にはせいぜい数日間程度効果があるとされているのだそうです。ということは、作ったら比較的すぐに消費してしまうような食品が対象になるんじゃないかと予想が出来ます。

実際に、普通なら家庭で調理するような惣菜などのように、その日のうちに消費できなかったとしても、数日以内には消費してしまうような食品に対して用いられているようです。現時点で日持ち向上剤として用いられる物質を調べてみると、保存の効果は決して長くないようです。

また、食品添加物の括りとしてみた場合、日持ち向上剤という名称は存在していません。ということは、添加されている食品に対して物質名のみの記載になるということですね。場合によっては別の名目で記載されているのかもしれませんが。そうだとすると、私の様に日持ち向上剤といった名前を知らなかった場合、なんのために添加されたのかが分からないことが出て来そうです。まして、様々な作用を持つ物質だったとすれば、いったいどんな理由で必要なのかが分かりませんから、ちょっと不安になるんじゃないかな。

食品の成分表示のうえでも、表示のルールは決まっていないのだとか。使用基準も同様に決まっていないとのことです。また、その腐敗を防ぐなどの効果は保存料と比べると低いために、どうしても使用する量が多くなりがちです。時に、味に影響を及ぼすことが出て来ているのかもしれません。

特に近年は消費者の傾向として「体に良いモノ」という意識が高まってきていることから、「塩分控えめ」とか「甘さ控えめ」といった表現が好まれる傾向にあります。食品の加工でこのような処理がされている場合、保存性だけを見るとどうしても低下気味になる事は避けられません。そういったこともあって、使用量が多めになりがちなのでしょう。

今でも耳にする話かもしれませんが、お弁当のご飯のところに梅干しを一つ入れておくと、夏場のような暑い時期でも傷まないといった話がありますよね。似たような話はハーブ類や香辛料などでも聞くことがあります。これらは先人の知恵なのでしょう。

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