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光沢剤のはなし

今回取り上げる話題は「光沢剤」という食品添加物についてです。食品にもよりますが、見たときに感じる表面の艶やかさや光沢といったものを作り出す食品添加物、名前から感じる働きってそんなところでしょうか。ただ、実際の働きはそれだけではないようです。

光沢剤の働きは食品の表面にツヤを与えて食欲をそそるという意味もありますが、食品の表面に使用することによって食品が持つ水分の蒸発を防ぐ働きや、反対に外部からの湿気などから食品を保護したりする目的があります。表面を覆う膜を作って中身を良い状態のまま維持するといった働きという事になりますね。また、表面にツヤを与えるという事もそうですが、膜を1枚作ることで食品の表面を保護する、そのような働きもあると捉えればよいでしょう。

水分の移動を防ぐわけですから、水溶性の物質では役に立ちません。したがって、光沢剤には水に溶けない性質が求められます。ワックスだとか樹脂だとか、そういった表現が用いられることもあるようですが、ワックスなんていう名称を聞くと床に塗布する液状の物を想像してしまいそうです。もちろん、そのような物ではありませんよ。食品添加物として厚生労働省が認めたものですから、口に入れて問題が起きることはありません。

用途ですが、チョコレートやキャンディー、糖衣菓子といった食品の表面に塗布して、内容物や表面を保護するわけです。また、同様の意味で柑橘類などにも用いられたりします。このような時に用いられる表現として、ワックスコーティングと言ったりすることがあるそうです。用いられる物質名としては「シェラック」「コメヌカロウ」「パラフィンワックス」などなど、様々な種類があります。

この光沢剤の種類などについて調べていくと、植物性ワックス、動物性ワックス、鉱物性ワックスというように、大きく分けると3つに分類されるようでした。コメヌカロウ、カルナウバロウなどは植物性ワックスです。シェラック、蜜蝋(ミツロウ)などは動物性ワックスに分類されます。鉱物性ワックスとしては、先に例で挙げたパラフィンワックスなどが該当します。

上に挙げたワックスと呼ばれる光沢剤の中で、私には「シェラック」だけはどの様なものだか想像がつきませんでした。調べてみて驚きました。じつは、シェラックという物質はラックカイガラムシから得られる樹脂状の物質を精製したものだということでした。詳しく説明すると、シェラックは「ラックカイガラムシ」のメスが分泌する液体なのだとか。テカテカして少量で効果が出るということもあって、とても扱いやすいのだそうです。こういった内容は、光沢剤について調べていくとインターネット上の記事で様々に記載されています。

これは知らなかった・・・。

もちろん、精製されたものしか使う事なんてできませんし、厚生労働省が認めたものですから、安全性などについてもちゃんと定められた基準をクリアしています。使用して何の問題もありません。とはいっても、知ってしまうと何かモヤモヤした気持ちになりそうです。

さらに、一括表示という点も私にはちょっと引っかかりました。厚生労働省が示している表示のルールの中で、光沢剤は「物質名の代わりに種類を示す一括名での起債が可能」となっている14種類の一つとして該当するものになっていました。ですから、シェラックと物質名を記載しなくても、光沢剤と記載があればそれで構わないという事なんですね。せめて物質名くらいは表示してもらった方が、気持ちの上で納得してからの購入ができると思うのですが、どうでしょうね。

ちなみに、ある記事では光沢剤のワックス類の中でガムベースの成分として使用される場合のある物質があるそうで、その場合は「光沢剤」ではなくて、「ガムベース」と一括名ができるそうです。ガムベースも光沢剤と同じく一括名での表示ができるとされているものでしたので。

広い意味になりますが、昆虫食的な話はすでに始まっていたんですね。

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