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脳がゆがむ話

ゆがむ?

ゆがむという言葉を聞くと、真っ直ぐになっていないんだな〜といった気持ちになりますが、どのようにゆがんでいるのかまでは想像がつきにくいかもしれません。どちらかに偏っているとか傾いているとか、左右や上下の関係がアンバランスだとか、いろいろとイメージができそうではありますが。

棚や壁のポスターなどの左右の線が釣り合っていない状態としてみれば、視覚的にも判断しやすいと思います。ただ、今回の話題は脳の話ですから、ゆがんでいるのは「自分の脳」だということになります。視覚的にはみる事が出来ません。それにしても、脳がゆがむって、どういうこと?

そういえば、関西では「ゆがむ」と「いがむ」の2つの言葉があって、両方で違った意味で使っているようです。「ゆがむ」は精神的な問題、「いがむ」は物理的な状態、そんな使い分けがあるようですが、気に障ることを言う人を指して「あいつは性格がゆがんでいる」と評し、転ぶと「足がいがんでいる」なんて揶揄するといった使い方をよく耳にしました。ですが、こんな使い方をするのは狭い地域だけのことかもしれません。

それはともかく、脳がゆがむって、どういうことなんでしょう。

・アンバランス

脳がゆがむというのはある著名な人の表現です。普通ではあまり耳にすることがないかもしれません。

人間の脳は見た目で分かる通り、左右に分かれています。その両方を含めて、前頭部、頭頂部、後頭部、側頭部といった分け方をしたりもします。大雑把な位置で区切って、そこにどんな機能があるかを示すというわけですが、ゆがむといった場合は左右の脳について考えます。いわゆる左脳、右脳といった分け方です。

何か脳に損傷でも起きないかぎり、左右でその大きさに差が見られることはまずありません。ということは、アンバランスはサイズの話ではないようです。では使用頻度とでも言えばよいでしょうか。普段の使い方を振り返ると、左脳偏重になっていたりしませんか。

実際、幼少期は絵を描いたり親に絵本を読んでもらったりして、イメージを使うことが多いようですが、学校に上がって文字の読み書きを始めると、左脳が使われるようになります。常に文字や数字と接した生活を送っていますよね。社会に出てからも、様々な業務を経験したりして、文献や資料を読む、報告書を書く、説明するといった、言語化されたものに接する機会がとても多い生活を過ごしています。

これらは全て、左脳で処理されます。したがって、左脳偏重の生活を送っていることになります。これに対して右脳はというと、普段はあまり使っていないようです。使い慣れていないといった方が良いかもしれません。

右脳の方はと言うと、何かをイメージしたり想像が創造につながったり、そんなときの処理を行なっています。とは言っても、人間の脳って、使わないでいるとだんだん衰えてきますよね。それが物忘れにつながったりもしますので、要注意です。つまり、映像を見てそこからイメージを膨らませたり、話を聞いて状況を考えたり、そんな能力が衰えてきます。結局、見た、聞いた範囲でしか物事が考えられなくなってしまう、そんな事になりがちです。

想像を働かせるといったことは、自分にとっては心や感情を豊かにする方向に働きます。また、人に対して思いやる気持ちにもつながります。慮るといってもいいでしょう。もちろん、相手の事情や状況に対して「そんなのは当たり前だ」とバッサリ切り捨てることも出来るでしょうが、思いやる気持ちが出て来るということは、その相手の事をいろいろと想像して思い至るとか、共感できるとか、そういったところにつながります。

脳はその人の生活パターンや仕事の内容などに応じて、どんどんその人特有のパターンが出来上がっていきます。それは脳の中でも、よく使う部分は活性化しますし、あまり使わない部分は忘れていってしまうでしょう。それが他の人と接した時に顕著に表れてくるかもしれません

相手の話をしていても、なんか話が噛み合わない。そんな時はちょっと振り返ってみる必要があるかも・・・。そして自分の思考のパターンなどを改める必要が出て来るかもしれません。

でもそれって、ちょっと怖いような・・・。そうならないためにも、好奇心は大事にしましょう。そして、小さくても良いのでいろいろと新しい体験を積み重ねて、いつまでも自分の脳の柔軟性を保ちましょう。


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