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一夜漬けの話

誰もが経験しているであろう一夜漬け

頭を使うんだから脳の話だという多少のこじつけで、この話題について振り返ってみたいと思います。なぜ考えるのではなくて、振り返るのかって?
そりゃ、誰だって何度か(決して一度ではないはず)経験があるでしょうから、その時の事を思い出してみましょうといった意味を込めていますので。

さて、まず一夜漬けってどんな時にしましたっけ。普段あまり勉強しなかった部分を試験前にまとめて、やっつけ仕事みたいな感じで一気にやってしまう、そんな勉強の仕方ではなかったでしょうか。終わるまで眠れない、そんな意気込みで臨んだ人も多かったと思います。

実際に一夜漬けで頑張った人は、次の日の試験の成績がいくらかでも良くなっているという事実があります。だからこそ、いつまでも廃れることなく、また誰に教えてもらうわけでもなく、なぜか続いていくんです。みんな、考えることは同じということでしょうか。

その効果(メリット)

一夜漬けって、もう後がないような状況で行う最後の手段的な方法ですから、緊張感に満ちた勉強法といえるでしょう。緊張感というよりも、むしろ切迫感といった方が良いかもしれません。当然、普段とは集中の度合いが全く違うことになりますから、覚えるという点でも効率よく進められるでしょう。

また、まとめて一連の内容を見渡すわけですから、それぞれの関係が理解しやすくなるかもしれません。実際に、最初にどこか一つ分かれば後は順に繋げていくことで、全部分かってしまうことだってあります。

加えて、インプットアウトプットの間隔が短いという見方もできます。忘れる前に試験で答えてしまうことができる、それもメリットかもしれませんね。

その場限りといった感じで行うのであれば、こんな方法だって「有り」かもしれません。しかし、徹夜になるほどの量を一夜漬けで済まそうとするのはどうでしょうか。試験の本番で眠気に襲われないかとか、身体を含めて疲労のピークで試験を受けることにならないかとか、脳のパフォーマンスはどうなるかとか、いろいろと心配な面も出て来そうです。まして、その試験、次の日だけですか?

その効果(デメリット)

やはり、試験本番(つまり翌日)の注意力が低下したり散漫になったりするデメリットが大きくなりそうです。「確かにここで勉強したはずなんだけど・・・」、そんな場所が出て来ることだって充分有り得ます。

また、一夜漬けに当てる時間は限られています。多くの量を一晩で片付けることはできません。それこそ、日頃の行いの報いが来たらどうしよう、そんな心配だって無きにしも非ず。

まして、勉強中にうっかり居眠りをしてしまったら・・・。

睡眠をとるメリットの一つは、知識や経験を整理することだといわれています。そうだとすれば、まとめて一気に詰め込んだ知識が頭の中でとぐろを巻いて(?)いるかもしれません。混乱して、覚えたはずのことが出て来ないなんていうことだって、有り得るんです。

ただ、眠るつもりで寝るのと、うっかり居眠りしてしまうのでは全く条件が違います。徹夜をしてでも勉強しなきゃという気持ちで勉強中にうっかり居眠りをしてしまっても、その時に目覚まし時計をセットしているかどうか・・・。

そして、「あれも、これも」と全部やろうとすると、かえって全部が中途半端になってしまうかもしれません。でも、全部しなければならないほど全部この日のために残していたなんていうことであれば、これはエライ事ですよね。

結局、どっちなの?

こんなことを言われたことはありませんか?
「直前にまとめてやろうとして大変な思いをするくらいなら、普段から少しずつでもやっておけ」と。大抵の人は親に呆れ顔で言われる決まり文句みたいなものだと思います。実際にその通りなんですが、当人は、それでも普段はラクをしたいんです。

ただ、脳の働きという観点で見ていけば(やっと脳の話になりました)、毎日のように少しずつ勉強を重ねていく方が負担が少ないうえ、頭の中に記憶として残りやすいという事実があります。パフォーマンスでいれば、思い出せる量が2倍ほどの開きになる場合もあるようです。もちろん、毎日少しずつ勉強した方が多いのは間違いありません。

まして、徹夜をしなくて済むようにした方が賢明です。せめて仮眠くらいは取りましょう。適切な仮眠は体力や脳のパフォーマンスを回復させる効果が期待できますから。

親の小言、じつは正しかったようです(反省)。


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