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膨張剤のはなし

今回は膨張剤を取り上げます。膨張剤という名前も食品の裏側にある成分表示を見るとよく出て来る名前の一つなので、ご存じの方も多いでしょう。私には「食品をふくらませるんだな~」というくらいの感覚でしかなかったというか、どんなものかサッパリ分からなかったので、今回取り上げて調べてみることにしました。

膨張剤は何のために用いるかというと、それは生地を膨らませるためということです。食品に用いられるものとしてはベーキングパウダー(昔はふくらし粉と言っていた記憶があります)と呼ばれる物質が一般的ですね。二酸化炭素などのガスを発生させて、パンや焼き菓子などを膨らませるために使います。

詳しく見ると、焼く時の熱や水分と反応して二酸化炭素などを発生させるようですね。ごく少量で充分に働いてくれる物質のようです(食品添加物は全般に少量で効き目があると感じています)が、わずかな量の過不足で仕上がりが大きく変わるという事なので、微妙なサジ加減が必要なようです。

さて、調べているうちに変な事に気が付きました。表記の問題なのですが、膨張(剤)という表記と膨脹(剤)との表記と、二種類の表記が存在していたんです。これって、いったいどこが違うのでしょうか。

調べていくと、どうやら意味は同じで表記だけの問題のようです。本来は「張る」と「腫る」の違いのように、「腫」は一般的に身体の事を指す文字で、「張」はそれ以外といったところでしょうか。常用漢字あたりの兼ね合いもありますが、食品表示法によると「膨張剤、膨脹剤、ベーキングパウダー又はふくらし粉」となっていて、どの表記を使っても構わないような表現になっています。なので、国語的な意味よりも慣習的な意味で「膨脹(剤)」と「膨張(剤)」の表記が混在しているということのようですね。これは同じ意味だと捉えることにして、これ以上は考えないことにしましょう。

膨張剤の話が脱線してしまいましたので、元に戻します。膨張剤を詳しく見ていくと、大きく三つのグループに分かれます。生物的膨張剤と物理的膨張剤、そして化学的膨張剤になるんだとか。生物的なものは酵母が該当します。化学的なものでは重曹やベーキングパウダー等が該当します。物理的なものとしては、ちょっと頑張って作るメレンゲのようなものが該当するそうです。

物理的な膨張剤はさておき、ここからは生物的膨張剤と化学的膨張剤について、調べたことを書いていきます。

生物的膨張剤としてのグループでは、パンなどに用いられる酵母(イースト)が有名です。家庭でパンを焼いたりする人であれば、ドライイーストといった名称のものを使った経験をお持ちでしょう。

イーストとはパンの生地に適した菌を純粋培養したものだそうです。発酵する力が安定しているために、どんなパン生地にでも使用できるという優れものです。

パン生地にイーストを混ぜることでイーストが生地の中の糖分を分解して二酸化炭素を発生させます。つまり発酵させるという事なのですが、これによってふっくらと焼き上げることが出来るんですね。これは外せません。先ほど挙げたドライイーストは、イーストの保存性を上げて使いやすくしたものなので、ご家庭での使用に向いているとのことです。

化学的膨張剤については、次回取り上げることにします。

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