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亜硝酸塩の健康被害のはなし

前回の続きで、今回は何かと良くない話題で取り上げられることが多い亜硝酸塩について、身体に対する影響を調べてみたいと思います。

亜硝酸塩についての危険性として話題に上がるものは「発がん性」でしょうか。「発がん性」と聞くと「とんでもなく危険なもの」という印象を持つ人がいるかもしれませんが、亜硝酸塩の場合はいろいろな研究がされていて、それぞれの立場で表現や結果の解釈に差があるようにも感じます。

例えば、ある説では「発がん性物質のニトロソ化合物を生成する可能性があると一部で指摘されている」という表現のものがあったり、「亜硝酸塩は毒性が強くて、食肉中のアミンという物質をニトロソアミンという発がん性物質に変化させるので、がんになるリスクが高まるかもしれない」といった表現のものがあったりします。具体的な数字を挙げている説もあるようです。例えば、「毎日〇グラム摂取すると、がんのリスクが◇パーセント上昇する、これは✖✖という食品の△△の量にあたる」というように。でも、この説を発表したのが外国の研究者なので、そもそも普段の食生活からして異なる可能性があるんです。そうなってくると、どこまで参考にすればよいのかが判断できなかったりします。

加えて、どんな種類のがんが懸念されているかというと、ある説ではすい臓がん、ある説では胃がん、また別の説では大腸がんや女性の乳がんになっていたりと、こちらも様々ながんが取り沙汰されています。中には、煽るような誇張した表現ともとれる記事があったり、それをエビデンスを示したうえで否定したりする記事が別のところにあったりと、なんとも不思議な世界が繰り広げられている、そんな状況だったりします。

そのうえで、毎日摂取する前提になっていての展開であったり、ただ単に摂取すればこうなるといった表現に解釈されたりと、表現も様々です。正直なところ、どんな考え方や捉え方をすればよいのか分からなくなってきます。

しかも、厚生労働省のコメントとして「本物質に関してはFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)において評価が行われており、発がん性については1995年及び2002年の評価において、ヒトの摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠はないとされております」と、食品安全委員会の Q and A詳細 に記載されていました。これは平成21年1月分のコメントとしてのものでしたので、それ以後の更新についてはされていないようです。という事になると、ちょっと古いかもしれません。

このように、いろいろな見解が出ているのですが、断定的な表現をしているところは最後のコメントくらいで、それ以外は肝心なところが少し曖昧になっているようにも感じました。こうなると、分からないなりにも自分で考えて判断した方が良さそうに感じませんか。

亜硝酸塩は食品添加物として使用されていますが、硝酸塩は野菜などにも含まれているものです。しかも、この硝酸塩の方は体内などで細菌と出会う事で亜硝酸塩に変化します。そのうえで、普通に摂取する程度の量であれば特に人体に有害なものではないと示しておいての亜硝酸塩の発がん性の懸念の表現だったりするわけですから、どこまで危険性があるかの判断が難しい状況だと感じています。

このような状況も踏まえたうえでの個人的な考えになりますが、大量の食肉加工製品を毎日摂取する人なら注意が必要になるでしょう。しかし、時々摂取する程度の量であれば、そこまで神経質にならなくてもよいのではないかと考えているのですが、皆さんはどうお考えになりますか。


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