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腎臓の働き

今回は腎臓の構造について書いていきます。腎臓は老廃物を体外に出すために、血液をろ過する働きがあるのですが、どこにあって、どれくらいの機能があるのか、そんなことを書いていくことになります。

基本的なこと

腎臓はもともと、二つ存在しています。お腹側ではなく背中側、腰の少し上のあたりといったところでしょうか。左右に一つずつ、だいたい10センチメートルくらいの大きさで、そら豆のような形をしています。一つがしっかりと機能していればそれで良いのですが、年齢が上がったりすることで機能が悪くなることがあるために、二つ存在しています。

腎臓は常にフル稼働しているわけではありません。かなり余力を持った状態で働いています。もし外傷などで傷ついたりした場合、片方の腎臓を取り除くことがあるかもしれませんが、二つあるわけですから、一つになっても何とかやっていくことが出来るんです。つまり、それだけ余力をもって稼働しているということ。

腎臓は血液をこして尿を作りますので、腎臓に入ってくる血管と出ていく血管の2本が存在します。入ってくる方は腹部大動脈から枝分かれして腎臓に入ってきます。出ていく方は下大静脈に合流します。

ネフロン

腎臓の断面図を見ると、外側の皮質の部分と内側の髄質の部分に分かれます。皮質にはネフロンと呼ばれる単位が存在し、髄質の部分は細い尿細管や血管などが走っています。

ネフロンは腎臓の機能を果たす場所で、片方だけで100万個あると言われています。血管の中の血液から老廃物をこし取るのですから、少しでも効率が良い形の必要がありますね。そこで血管はより細い血管に枝分かれしてグルグルと巻いた状態になり、それを腎臓のこし取る組織が包み込むような形で覆っています。この血管は糸くずが丸まったような形なので「糸球体」と呼ばれています。腎臓側の包み込むような組織の方は尿細管で、こちらも糸球体を外側から覆いつくすような形になっています。覆いつくす形なので、包み込むということから「ボーマン嚢」と呼ばれたりしています。例えて言うと、電車の連結器のような形であり、内側が糸球体、外側が尿細管、そんな感じです。

最初に血液からこし取ったものは「原尿」と名がついていますが、これがそのまま体外に出るわけではありません。量にして150リットル以上ありますから、そのまま捨てるなんて言うことは到底できない話です。ではどうするかというと、ボーマン嚢から腎臓でまとめた尿になるまでに、血管と尿細管との間でさらに物質のやり取りをして、必要なものは血管側に戻し、更に不要なものは尿細管側に出すといったことを行ないます。そのために、ボーマン嚢のあとには原尿が長い尿細管の中を通る構造になっていて、そこに血管が絡みつくような形をしているんです。

こうして、150リットル以上あった原尿が最後には1リットルから1.5リットルくらいにまで少なくなります。減った内容のほとんどが水分。そして、長い尿細管から血管に戻すことを「再吸収」、血管からさらに尿細管に出すことを「分泌」と呼んで、区別しています。

なぜこのようなことをするのかというと、最初に糸球体から尿細管に物質が移動するとき、何を基準に移動させるかが問題になるんですが、その基準はというと、一定の網の目のざるがそこにあって、ざるの目を括り抜けられるかどうかで判断をしているのです。だから必要なものがどんどん出てしまう事も有りますし、出したいものが出せないことだって出てくるんですね。それを調整するために、後ろに長い尿細管の構造にしておいて、出したり入れたりが出来るような構造にしてあると考えればよいでしょう。

尿細管の方は最終的に何本もがまとめられて、尿も一つにまとまって腎臓から尿管を通って膀胱に集まる仕組みになっています。

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