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ドイツ生活173日目 2023/9/2 「あなたの本がどうしても欲しい!」

今日はホステルで朝ごはんを食べた。9.3€で、バイキング形式だ。
最初は朝ごはんを注文していなかったのだが、スーパーで買うのも微妙だし、レストランやカフェを探すのも面倒だからホステルで食べよう!と思ってフロントで追加料金を払った。
レタスとトマトときゅうりとハムとチーズがたくさんあったのでもりもりのサンドイッチを作って食べた。
この期間は自炊ができず野菜が不足しそうだと思ったのでサラダをおかわりして食べた。美味しかった!

ごちそうさまでした

今日は午後からブックフェスティバルに行くので、午前中のうちにハンブルク市内を散歩してみることに。
ホステルからハンブルク中央駅まで歩いていたら、なんとFREITAGのお店があった!調べたらスイスのチューリッヒ発のブランドだった。ずっとドイツのブランドだと思っていた。

入ってみよう

このブランドは、風雨や砂ぼこりなどを防ぐために車両などを覆うための防水布から作られたリサイクル商品を取り扱っている。なのでどの商品も全部バラバラの柄・色で面白い。

かわいい

日本にもお店があるので知っている人も多いかも!
素材は防水布なのでかなり丈夫だが、その代わりかなり重厚感があって重い。

でもかっこいい

しかも新商品?として、結局使われなかった車のエアバッグを使ったリュックサックも売られていた。確かにこれはエコだ。

かわいい

お店のディスプレイもシンプルで、商品棚も質素な白い箱でできていて無駄な装飾が一切ない。こういうミニマル(最低限)なデザインは下手すると雑というかダサく手抜きに見えてしまうが、そうならずに「かっこいい!」という印象を与えているのはすごい!と思う。

駅の目の前にはレストランがあって、何料理かはわからないが美味しそうだ。朝食プレートもあるようなので、明日の朝ごはんはここで食べてみようかな?

どこの料理だろう?

ハンブルク駅周辺にはレンタサイクルや観光バスがたくさんあった。
私がいつも使っているシェアサイクルはハンブルクでは使えないようだった。おそらくこの赤い自転車がハンブルクでは強力なシェアを誇っているのだろう。

乗り方がわからず乗れなかった

ハンブルク中央駅はこんな感じの見た目。

かっこいい

そしてバスに乗ってまずはハンブルクで有名なSpeicherstadtに行ってみることに。

バスも乗り放題なのだ

Speicher(シュパイヒャー)はドイツ語で保存・保管という意味で、Stadt(シュタッド)は街という意味だ。世界最大の倉庫地区で、船から直接荷物を倉庫に持ち込むことができるようになっている。

こんな感じで、海からつながっている水路をリフトカーが運行していて、このリフトで倉庫の窓に荷物を運び込むらしい。

素敵だ

こんな感じの建物と水路がたくさんある。

そしてまた別のバスに乗って、今度はHafencityへ!
Hafenは港という意味で、まさにたくさんの船が乗り入れている港の町だ!
こんな感じの大きな船から小型船までたくさんの船があった。

かっこいい
大航海時代だ

イメージとしては横浜のような感じが近い。赤レンガ倉庫と港がとても素敵だ。港なので仕事も多く、人も多くて活気のある感じがする。

そういえば彼のお姉さんは大学もハンブルクで、仕事も港で事務の仕事をしていると言っていた。この前赤ちゃんが生まれたばかりだが、ハンブルクは週30時間まで保育料が完全無料で、それ以降も格安で保育園を利用できると言っていた。
これはドイツ全土ではなく、州によってルールが違うらしい。私たちが今住んでいるケルンのあるNRW州は保育園は有料だとのこと。NRW州はルール工業地帯があった場所で、昔は栄えていたが今は工場が閉鎖してしまったので人口も減り、その頃よりは経済的に少し落ちてしまったらしい。
こういうことも保育園の利用料に影響しているのかな?と思ったりした。

ネットでハンブルクの観光地について調べたらRathausがおすすめだと出てきた。Rathausは市庁舎という意味だ。いまいち市庁舎と市役所の違いがわからないが、行ってみることにした。

Hafencityの近くの駅からの眺めも最高〜
また電車に乗る
これが市庁舎だ!すごい
中はこんな感じ

軽く観光した後はまた電車に乗ってホテルに戻り、自分の本やポートフォリオを持って2日目のフェスティバルへ参上!
土曜日なので昨日よりも人が多かった。

製紙会社の紙サンプル

ドイツにも(当たり前だけど)ファインペーパーの会社があるのか!とわかって嬉しかった。でもどこで買えるのだろう?気軽にいろんな紙を買えるような場所がケルンにもあればいいのだが。

色々ブースを回って、挨拶してくれたり優しそうな人とは話をすることができた。その中で、中国のデザイナーの女の子と友達になった!
素敵な作品をたくさん作っていた。
パートナーが詩を書く人で、その女の子はデザイナーで、2人で作品を作っているらしい。素敵だ。
手作りの紙と活版印刷でできた素敵な栞を購入した。

中国語のタイポグラフィはかっこいい

そして、Tokyo Art Book Fairにも来ていたHappy Potato Press (しあわせなおいも出版)というかわいいジャガイモの絵本を作っているおじさんと初めて話すことができた!
オランダ人で今はベルリンに住んでいる、身長2mもあるにこやかなおじさんだった。

かわいい絵本

自己紹介して、色々おしゃべりしたあと自分の作品を見てもらった!
日本語で書かれた絵本があったのでそれを購入してサインも書いてもらった。

そしてもう1人、ベルリンでパートナーと2人で絵本の制作をしているかわいいおじさんにも会ってお話しすることができた!
何冊も持っていったのだが全部じっくり目を通してくれて、コメントをくれた!月末のベルリンのブックフェアにも出展するらしく、また会おうね!という話になった。

かわいい作品がいっぱい

そして夕方からは「ノスタルジアを感じるにはどうするか?」というワークショップがあって、それに申し込んでいたのを思い出して参加した。
いまいちテーマにもピンと来ていなかったので特に興味はなかったのだが、他のワークショップが全部満席で予約できず、唯一空席があったこのワークショップに申し込んだのだ。

ワークショップが始まると、かっこいいお兄さんとかわいいお姉さんが進行係となって、みんなで外の気持ちのいい庭に移動しようと言った。

爽やかな天気

ベンチに座って目を瞑って、司会の女性が言った。
「昔を思い出してください。昔住んでいた場所、遊んでいた公園、一緒にいた人など…」
そしてそれを絵や字にして紙にかいて、ペアになってお互いにそれについて話し合うワークショップだった。

そしてそのあとはみんなで輪になって、ノスタルジア(昔を懐かしむ気持ち)をクリエイティブに活かすことができるかどうか、みたいな議論をした。

輪にいた男性は、「僕は庭師の仕事をしていて、庭のデザインをすることもある。その時にはいつも何が好き?とかどんな生活スタイルにしたい?みたいな現在〜未来の質問をクライアントに投げかけることが多いけど、これからは、子供の頃何が好きだった?みたいに昔のことについて質問するのもいいなと思った」と言っていた。

隣にいた女性も「作品を作るときはいつも自分にないアイデアを探してしまう。今何が流行っていて、これから何が流行るのか、など。でも自分の過去からもアイデアを持って来れるのだと思った。」と言っていた。

なるほど、それは確かに私の絵本作りにも役立つヒントになる。
よくわからず参加したワークショップだったが、思いがけないヒントをもらえて嬉しかった。

ワークショップの後はまた会場に戻っていろんなブースを回っていた。
そしたらワークショップを進行してくれていた2人の男女のブースをたまたま発見しておしゃべりした。彼は雑誌の編集長で、この前第1巻を出版したばかりだ。パートナーである彼女は彼の手伝いに来ているらしい。

男性:おお!ミツキ!
私:ああ!さっきはワークショップありがとうございました。
女性:こちらこそありがとう!
私:ワークショップに参加するまでは、ノスタルジアがどんなふうに作品の役に立つかイメージできなかったけど、私の絵本や本作りのアイデアに役立つだろうなと思えました。
男性:え?本を作ってるの?
私:はい!持ってきているので、見てくれますか?

読んでくれた

2人は私が持ってきた本を全部読んでくれた。(隣の知らないおじさんも)
製本も全部自分でやったんです!と言ったら驚いていた。
そして彼女が私の本を気に入ったらしく、「この本欲しい!売ってないの?」と聞いてきた。

私:すみません、これは売ってないんです。来年は売れるようにいっぱい作らないと
女性:この本がすごく好き!みて!感動して鳥肌が立ったわ!(二の腕を指差す)この本どうしても欲しいわ!買いたいからいくら払えばいいか言って!

なんと、本を売りにきたわけではないのに買いたいと言ってくれる人が現れたのだ。売ろうと思っていたわけではないので、値段もわからずどうしよう、、と思っていたら、
雑誌を売っている彼が「じゃあ僕たちの本を交換しない?」と言ってくれた。

こういうブックフェアではクリエイター同士が本をトレードするのはよくあることらしい。かっこいい雑誌を発行している人たちに自分の作品を認められて、それを交換しよう(=等価)と言われたことが嬉しかった!

女性に、「あなたがドイツで一番最初のお客さんです!」と言ったら「ほんと!?やったわ!あなたの本最高よ!」と言ってガッツポーズして喜んでくれた。

嬉しすぎて涙が出そうになったが、堪えて記念写真を撮ってもらった。

ドイツに私の作品を持ってくれている人がいるということが奇跡

なんと、ブックフェアに出展ではなくビジターで参加したつもりだったのに、自分の本を買ってくれた人が現れたのだ。
この事実が嬉しすぎてホワホワした気分になっていた。

その後はずっと興奮しっぱなしだったが、18時くらいになってお腹も空いてきたので会場をあとにした。
一旦ホテルに戻って本を置いて、夕ご飯を買いにスーパーに行った。

そういえば、ハンブルクではGuten Tag!という挨拶ではなく、Moin!(モイン)という挨拶が定番らしい。確かにハンブルクのいろんなところにMoin!と書かれたサインや広告があったりして、しかも駅前に立っているといろんな人がMoin!と言い合っているのを耳にしたりする。

モイン〜

そして今日もまた寿司を買ってしまった。サーモンの握りが3つ、巻き寿司が4つで大体1500円くらいだ。
かなり高いが、お昼をちゃんと食べなかったのでいいだろう。

美味しすぎた

そして今日はドイツで初めてのお客さんができたお祝いに、市街地の屋台でタピオカを買った。

美味しかった

とにかく嬉しい気持ちでホテルに戻った。
自分の作品をたくさんの人に見てもらって、みんながいいコメントをくれた。もしかしたらドイツ人もお世辞を言うのかもしれない。けどその中の1人は「あなたの本がどうしても欲しい!いくら払えばいいか言って!」とまで言ってくれたのだ。しかも鳥肌がたった!と言って二の腕まで見せてくれたから、これだけはお世辞ではないだろう。

誰か1人のために、自分のために個人的に作った本の思いが、全く関係のない遠くの国の全く文化の違う人に伝わったことが嬉しかった。

よし。絶対に来年もドイツに残って本を作れるようにしよう。
本をたくさん印刷して製本して、来年は展示ブースを自分で用意して売れるようにしよう。新しい目標が明確にできた1日だった。

あとは、インスタグラムにちゃんと作品を載せたほうがいいのだなと思った。今日本を見せた人たちのほとんどが、「インスタやってる?」と聞いてきたのだ。
一応アカウントはあるので交換したが、絵日記を書いて載せていただけのアカウントで、自分の絵本や作品などは掲載していない。
インスタグラムと自分のウェブサイトはやっぱりあったほうがいいなと思った。

結局女子部屋に変えてもらえたので、今日泊まる部屋は70歳くらいのおばあちゃんと20代前半くらいの女の子との3人部屋だ。
夜眠くなるまで、今日買った本を読んだ。

左から交換してもらった雑誌、ポテトの絵本、ベルリンのおじさんのコミック本

女子部屋が快適すぎて最高〜と思っていたら、おばあちゃんが0時をすぎてから普通にうるさい音量で動画を観始めた。私はすでに寝ていたのだがうるさくて起きてしまった。

後からチェックインしてきたもう1人の30代くらいの女性が
「もう寝る時間よ。うるさいからやめて。ヘッドフォンをするかロビーに移動してちょうだい。シェアルームなんだから気を遣ってよ。ここはテレビルームじゃないの!!」とおばさんを注意してくれた。
(私は恥ずかしながら何もいえずに布団にくるまって寝たふりをしていた)

そしたらおばあちゃんは「ヘッドフォンはないの。」と言って反論だけして謝りもせず、結局動画を観続けた。

そのあとも女性がもう一度注意してくれたが、おばあちゃんは若干音量を落としただけで動画を観続けていた。なんというメンタルの強さだ
男性の部屋よりはリラックスできるが、夜更かし動画視聴おばあちゃんのせいで少し夜は寝れない時間が続いた。

それでも今日あった素晴らしい出来事が嬉しすぎたのであまりストレスにはならなかった。
きっとおばあちゃんもどうしても観たい動画があったんだよね。

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