【考察】地方創生:定義編

はじめに

 地方創生とよく耳にすることが増えた昨今ですが、「果たして創生されているのだろうか?」と思う人も多いと思います。なので、そもそも地方創生の目指すべき姿について書く記事になります。

そもそも地方の定義って何?

 まず、「地方」という曖昧極まりない用語の定義を決めないことには、何も始まりません。総務省の都市に関する定義を参考に見ていきます。

注:今回取り扱うのは、普通地方公共団体のみです。

普通地方公共団体

指定都市
要件:人口50万以上の市のうちから政令で指定
中核市
要件:人口20万以上の市の申出に基づき政令で指定
施行時特例市
地方自治法の一部を改正する法律(平成26年法律第42号)による特例市制度の廃止(平成27年4月1日施行)の際、現に特例市(※)である市
※特例市制度
 要件:人口20万以上の市の申出に基づき政令で指定
その他の市
要件:人口5万以上ほか
町村

総務省の定義を確認しただけで、5つの規模があることが分かります。さて、創生される「地方」はどれかというのが、ここからの本題になります。当然のことですが、指定都市の対策と、町村の対策は全く異なります。

法的根拠:「まち・ひと・しごと創生法」

 2014年に「まち・ひと」・しごと創生法」が施行され、人口減少・高齢化、地方衰退の課題を解決すべく、「地方創生」が法的根拠を持って、実行されることになりました。しかし、先述した通り、「地方」の定義が曖昧であり、都市部に住んでる人は村おこしの事業と思う人もいれば、地方都市に住んでる人は周囲が創生されると思う人もいるでしょう。一応、どちらも正しい訳ですが、解決する主目的が人口減少・高齢化、地方衰退といった課題であることが最大のポイントだということを強調したい

目的:人口減少・高齢化、地方衰退の解決

問題の整理

 高賃金の雇用、娯楽の中心や利便性の高い交通機関を持つ魅力的な都市部への一極集中現象により、地方の流出人口が加速化したことに加え、出生率が下がったことによる人口減少が発生している。高度な医療体制を築いたことによる雇用年齢を越え、引退した高齢者の健康寿命が延び、国民保険制度の大きな負担増加の要因になった。そして、引退した高齢者は地方各地に点在しているが、生活圏を地方に置いている為、移住の意思がなく、地方での生活を前提とした解決をしなければならない。引退した高齢者で築かれた地方経済は、貯蓄の切り崩し生活になりますので、お金を消費をすると、身銭が減っていく一方で、消費思考にはならないです。消費活動により、経済は回る中、消費体力のある人がいないのですから、地方経済は事実上の麻痺状態にあります。

解決セオリー

 第二次安倍政権で描かれたセオリーとして、地方に若者が移住すれば、出生率が伸び、現役世代の消費活動が増え、高齢者を支えることが可能という考えを表とし、背景では、地方自治体の行政コスト調整の目的もあった。しかし、高賃金の雇用、娯楽の中心や利便性の高い交通機関を持つ魅力的な都市部から移り住みたいと思う人は少なく、セオリーは失敗した。日本国民間の人口増加を狙った人口の自然増に失敗した安倍政権は、挽回策として、外国人技能実習生を受け入れる人口の社会増路線に切り替えた。これにより、日本の人口は維持ができ、経済も回るというセオリーに切り替わった。しかし、いざフタを開けてみたら、低賃金での重労働を外国人実習生に任せた結果、脱走する事例が多発した。本来、重労働を解決する為に生産性向上の設備投資を行うセオリーですが、社会増路線の「地方創生」では、それが起きなかった。

創生対象の決め方

 現実的に予算が当てられる範囲で見ていくと、その他の市辺りからが地方創生する対象にあたると思われます。しかし、例外的に農業産業が栄えてる町村は別の計りでみることができます。市レベルの産業促進目的で助成金事業が多く展開されているので、市レベルから上の格の全ての地方都市の再生が対象とみることにします。

次回

 次回は、市と中核都市の役割の違いを見ていきたい。

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