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書店の課題と生き残り策の考察

挨拶

レジ袋の問題で書店が責められてるツイートをみたので、書店の置かれている状態&解決策についての私見を書いてみたいと思います。

出版業界の利益構造

詳しい話はリンク先に書いてるので、省きますが、1冊の本が売れる時、 出版流通における取り分は以下のようになってます。

著者(10%) ー 出版社(60%) ー 取次(10%) ー 書店(20%)

上記の例は書店を経由した紙媒体の本の場合です。

近年、電子書籍で活躍されてるアマゾンでは印税設定を70%か35%に設定可能で著者の取り分もそれだけ多くなり、書店と取次を介さない分著者に還元できる仕組みがあります。

これもあって、著者は収益性が低い紙媒体に固執する必要性が低下します。加えて、電子書籍は出版社を通さずに出版が出来たりします。こういったことから書店というビジネスモデルの存続自体が危ういかもしれません。流通論を講義で受けたことがあるのですが、流通における中間マージンをいかに減らせるかというテーマがしばしば出てきます。電子書籍はこの中間マージンを限界まで取り払った形で著者と販売者の最良の選択だと思われます。

 ですが、そこまでよい選択なら「なぜ書店が潰れないか?」という話を持ち出されるので、説明します。書店も潰れますが、統合していくと言った方が正しい。近年の書店の大型化はそういった流れからくるものです。次に取次が在庫リスクを実質ゼロにしてるからというのがあります。あと、業務の多角化で文具やオフィス用品を取り扱ったりして生き残りを計ってる書店もあります。

ここまで読めばわかると思いますが、書店の本を売るというビジネスモデルは結構厳しいです。書店には別の問題もあります。それは立ち読み問題です。立ち読みだけして帰る客も多数いることが度々問題視され、書店がマンガを立ち読みできない細工をしたりして、明確な解決の糸口がないという状態にあります。立ち読みによる利益損は結構大きいと思います。しかし、対策で立ち読みができないようにすることもまた利益損になります。これに加え、万引きによる損失も大きいです。「書店業界の仕入方式は特殊で、仕入れた商品のうち売れ残ったものを返品できる消化仕入という仕入方式を採用しているところが多く、この仕入方式は返品ができるため売れ残りリスクがない反面、仕入値が高く、結果として利益率が低くなります。有名書店の売上高経常利益率(2006年度)でいうと、ジュンク堂は1.7%、紀伊国屋は0.4%です。つまり、1,000円の本が盗まれたらジュンク堂では58,823円、紀伊国屋では250,000円売らなければならないことになります。」と言われてます。

 これらの書店の抱える問題に電子書籍販売プラットフォームが追い打ちをかけ、コロナやレジ袋といった別の意味で追い打ちをかけにくる状態が現状の書店です。コロナはともかく、レジ袋は回避可能な事案ですので、減税や不要な税金を無くす政治家を選挙で推す必要がありますが、今回の主題ではないので、またの機会があれば、減税に関しての考察をしたいと思います。

私の提案

 ここで自分なりに考えた解決策を述べたいと思います。書店を有料会員制にして、好きなだけ「立ち読み」させれるサービスを書店で作ることです。アプリで会員登録をして入場し、バーコードで読む本を管理。書店を出る時に返却するか購入するかという選択肢を与えて帰らせます。「立ち読み」で読んだ本はバーコードで管理される為、著者に対してその分の印税支払いも捻出可能で、たくさんの在庫を最大限に活用可能です。更に、会員ランクを設けることで、ドリンクサービスや語り合うラウンジの提供をすることでオンラインサービスにはない付加価値創造ができるのではないかと思います。別の事例になりますが、過去にインターネットで音楽の不正アップロードが問題になりましたが、レコード会社はそこに着目して自らアップロードする形で解決させ、利益も上げることができました。自分の考えはこれに近く、あえて「立ち読み」を容認する形のビジネスモデル形成を作れれば、書店にもまだ可能性があるのではないかと考えていて、万引き対策もその過程で出来るのではないかと思います。

最後に

最後まで見て頂きありがとうございます。出版業界の利益構造と課題が整理できてたら幸いです。


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#考察

#私案

#レジ袋

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