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お金では得られない本当の幸せ

先日とても印象深い動画を観ました。
老人ホームに入居している94歳の女性が、日頃お世話になっている介護士さんの結婚式のために、手縫いのウエディングドレスをプレゼントするというものでした。

女性は認知症が進んでいて、仕上がったドレスを見ても自分がそれを作ったことは覚えていないのです。職員から「あなたが作ったんですよ。ありがとう」と声をかけられると、女性は、「認知症になってから、ありがとうと言われたことがなかった」と言って涙されていました。「こんなことがあっていいのかしら」と、お礼を言われたことに戸惑いと喜びが現れていたのです。

きっと心の奥底では認知症になって周りに面倒をかけているという思いや孤独や寂しさ等、外からでは分からない辛いお気持ちを抱えていたのだろなと感じられるお姿でした。それと同時に、着てくださる介護士さんのためにと、その思いがあったからこそドレスを仕上げることができたのでしょう。たった一言、「ありがとう」と言われる事が、これほどまでに人を幸せにすることが出来るのだなと、見ているこちらも涙が流れてしまうほどでした。

私たちは誰もが、幸せになりたい、幸せでありたい、そう願って生きているのではないでしょうか。そのために、たくさんのお金や物がなくてもお互いに感謝し合えた時に、心から幸せを感じることができるのだと教えられたように思います。

今年のお正月に起きた能登半島地震のように、大規模な災害が起きた時、何か少しでもお役に立てることがあればと、たくさんの方がボランティアに行かれます。被災された方がたのためを思って行ったのに、自分たちの方が元気をもらって帰って来た。といったエピソードをSNS等でよく見かけます。

自分以外の誰かの為に、何の見返りも求めず出来る事を精一杯やらせていただく。そのような思いで行動していったとき、相手を幸せにするだけでなく、自分自身をも幸せにするのです。

当たり前の日常が突然消え去って、生活そのものは大変な状況になります。けれども、お互いを思いやり、支え合い、助け合って、何の見返りも求めずに生きる姿があります。そこには「ありがとう」と、感謝の言葉が飛び交っています。
私たちはほんとうは、そのように生きることができるのだと教えてくれているのだと思います。

お金という便利な物を使い慣れてしまった私たちは、感謝の思いを伝えることを忘れがちです。時にお客様は神様だという勘違いから、クレーマー、カスタマーハラスメントと言われる行為に及んでしまうこともあります。
幸せは、お金や物があれば手に入るものではないのです。一人ひとりが感謝に満ちること、それは誰かの為に生きる時に感じることが出来るものです。
そこには、年齢も性別も身体の状態も関係ありません。

私たちは、誰もが幸せに生きることができる、本当は素晴らしい世界に生まれてきているということを、ひとりのご高齢の女性の姿から教えられたように思うのです。

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