見出し画像

サンタさんになった

年に一度クリスマスの夜、プレゼントをくれるサンタクロース。
成人した私にサンタさんがプレゼントを持ってきてくれることはもうないけれど、あの時の嬉しさを誰かに届けることができる。
そんな企画をご存知でしょうか。

ブックサンタ。あなたの選んだ本が、誰かの下にプレゼントされる。らしい。

らしいと曖昧な言い方をしているのは私がこれまでブックサンタという活動を知らなかったからです。
そんな私がブックサンタについて知ったきっかけはとある方のnoteでした。

髙橋さんのnote

倫理欠陥さんのnote

なにを隠そうお二人の文章力の高さをとても尊敬している私ですが、12月の某日この二つのnoteを読んだことが私とブックサンタの出会いでした。
一人で書店に行く勇気が出なかった私は、このnoteを読んだその日のうちに同じく本好きの母親に一緒にブックサンタに参加しないか持ちかけ、本日共に書店に行ってまいりました。

元々本を読むことはとても好きだったので、これまで読んできた数多の本から人におすすめしたい本を考える時間はとても楽しかったです。

そして今回私が選んだ本は三浦しをんさんの『風が強く吹いている』と加藤シゲアキさんの『ピンクとグレー』の2冊です。
私にはこの2冊までに絞り込むのが限界でした。
せっかくなのでこの2冊を含む本について少し語らせてください。

まず『風が強く吹いている』は箱根駅伝を目指す大学生のお話です。箱根駅伝は1月の2日と3日に東京と神奈川県の箱根を10人のランナーでリレーしながら往復する、日本で一番?有名な駅伝大会です。この物語ではたった10人のチームが箱根駅伝への初出場と、シード権獲得を目指す一年間の出来事が書かれています。フィクションではありますが、実際の箱根駅伝のルールに基づいて物語が書かれています。実際私はこの本を読んで初めてそれまで知らなかった駅伝のルールを知り、毎年箱根駅伝の中継を見るようになりました。この本を受け取った方がこれからの箱根駅伝に少しでも興味を持ってくれたらいいなと思いこの本を選びました。

2冊目の『ピンクとグレー』はご存じの方もいらっしゃると思いますが、加藤シゲアキさんのデビュー作です。私は現在進行形であの事務所のアイドルを応援しているのですが、この作品との出会いは衝撃でした。最初推しの先輩の作品だからという気持ちでこの本を手に取ったのですが、現役のアイドルが執筆した生々しさすら感じる芸能界で生きる主人公の物語。その物語が果たしてリアルなのか非現実なのかを、一般人として暮らす私には到底判断できません。にもかかわらず生々しいと思えるのはなぜなのかという疑問。芸能人のファンとしてこれが推しの日常ではないことを思わず祈ってしまうほどの恐怖。顔見知りへのプレゼントとして選ぶ本であったなら、きっと私はこの本を選べなかったでしょう。しかしこの企画を通じてこの本を受け取る誰かはきっとすごく本を好きな人だと思うので、どうか私の好きな誰も救われないような、ともすればバッドエンドと認定されるようなそんな作品にしかない美しさを知ってほしい。そんな身勝手な願いを込めてこの本を選びました。

さてここからは候補に挙がった作品についても少しだけお話させてください。

1冊目はブックサンタという活動を知った時、最初に思いついた本『虹色ほたる 永遠の夏休み』です。
この本は私が小学校4年生の夏、転校する際に担任の先生からプレゼントしていただいた本です。その担任の先生は私が本好きだからということでわざわざ本屋さんで私に送る本を選んでくれたそうです。その年赴任してきたばかりで3カ月ほどという短い期間しか私はその先生のクラスにいなかったのですが、にもかかわらず私が本好きであることを知ってくれていたことがとても嬉しく、今でも内容を一から話せるくらい大好きな本を誰かにもおすすめしたかったのですが、今回行った書店に在庫がなかったため見送りとなりました。来年は取り寄せてでもこの本にしたいと思っています。

2冊目は辻村深月さんの『ツナグ』です。一晩だけ死んでしまった誰かと会えるなら、あなたは誰と会うか。そんなことを思わず考えてしまう作品です。しかも会うことが出来るのは、生きているときと死んでしまってからの一回ずつ。死んでしまってからは生きている誰かが、自分に会いたいと思ってくれた時だけ。私は誰かに会いたいと思うときが来るのか。誰かが私が死んだ後でも会いたいと思ってくれるか。そんなことをつい考えてしまう物語で、かつ短編がいくつか入っているため読みごたえがあるなということで、悩みました。

それから悩んだのは星新一さんの作品。私が手に取ったのは『ボッコちゃん』でしたが、星新一さんの作品はどれもとっても面白いので、いつか選びたいなと思いつつ、今回はもう一回星新一さんの作品を読み返してからにしようと思い見送りました。

他にも思いつく本はたっくさんあったのですが、シリーズ物が多くブックサンタという活動の特性上シリーズ物は向いていない…。誰か私に宮部みゆきさんの『ドリームバスター』シリーズと青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』シリーズ、綾崎隼さんの『ノーブルチルドレン』シリーズとJ.K.ローリングさんの『ハリーポッター』シリーズを全巻送らせてくれ――――!!!と書店で何度思ったことか。(いくらになるかはこの際考えないものとする)

送りたい本はまだまだあるので来年も参加したいなと思ってます。

最後に、髙橋さん、倫理欠陥さん素敵なnoteを書いていただきありがとうございました。
またこのnoteへのお名前とnoteの掲載許可も快諾していただき、重ねて感謝申し上げます。

もし私のnoteも誰かのきっかけになったらとても嬉しいです。
それでは。

いただいたシール

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?