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『物理学者のすごい思考法』後日譚ノート

 今年8月19日のnoteに表題の本を取り上げたところ、私の敬愛する大学の理系出身の先輩から、ある指摘を受けた。
 
 この本の18ページに、「1000種類の食材のうち5品を組み合わせて料理をすると、その組合せは10の15乗、つまり1000兆通りになる」という箇所について、答えが違うのではないかということで、Excelでの計算結果を送ってくれた。
 
 高校時代に階乗の勉強はしたつもりだが、私はそこまでの知識はないのでネット上を検索すると、CASIOのネット上の計算ソフト(keisan.casio.jp)が見つかり、その中の「組合せ」で、「異なるn個のものからr個を選ぶ組み合わせの総数nCrを求める」のところで、nに1000、rに5を入力すると、
以下のようになった。
 
 nCr=8,250,291,250,200
 
 このように8兆余りとなり、先輩の計算結果の通りとなった。
 この本にある1000兆通りという答えとは大きく桁が違う結果になったのである。
 
 そこで先輩に電話をして、この問題の解法の考え方を聞き、間違いないと思い、数日間迷ったが、恐る恐る著者の方にメールでその旨をお伝えしたところ、しばらくして返信があり、連絡のお礼とともに、私が(先輩が)指摘した計算結果は正しいということと、次に改訂の機会があったら修正を考えるとのことであった。
 
 私は、素人の指摘に真摯にお答えをいただいた著者の方の謙虚さに尊敬の念を覚えた。
 一方、指摘をしてくれた先輩は、いまは大学の専攻とは畑違いの在野の古代史研究家であるが、その数学的感性に感服した。

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