コロナウイルス時のコンテンツマーケティング戦略について話します

2020年4月12日 15:54

家族やお仕事されてる方までもが家に閉じこもり、ウェブを閲覧する時間が増えている今、この情勢にフィットしたコンテンツ戦略を持つことが重要です。

すべてのブランドや業種が新型コロナウイルス感染症（以下、世界基準のCOVID-19で統一します）の話題に割って入る必要があるわけではありませんが、個人金融や健康保険のように、この危機に対応した最新情報をユーザーに知らせる義務があるブランドもあります。

この困難な時期において、私達マーケターがクライアントを指導する中で、いくつかのブランドはユーザーのために役立つコンテンツを提供するために工夫を加えてきました。

以下では、コロナウイルス大流行時のコンテンツマーケティングのための3つの主なヒントをまとめました。
アラートの提供、コンテンツハブの開発、新しいコンテンツの作成です。

ステータスアップデートの提供

すべてのウェブサイトで行うべきことは、ユーザーに気を配ることです。
具体的には、ホームページ上で重要な情報をユーザーに知らせるために、ナビゲーションの上か下のスペースを使いましょう。

COVID-19の影響を受けているユーザーがいる場合、そのユーザーが知る必要のある情報がどこにあるのかをすぐに知ることができるはずです。

例えば、AppleはCOVID-19の期間中の小売店の重要な情報を、ユーザーに警告しています。

保険のような大きな業界も、このような危機的状況の時には、ユーザーに自分たちがどのように健康を守っているのかを知らせる必要があります。
ソニー生命のホームページには、保険料払込猶予期間の延長など、最も重要な問題をお知らせ欄にて通知しています。

それを踏まえた上で、実際にあなたが持っているコンテンツと、それをあなたのウェブサイトで戦略的に使用する方法や場所について、お話していきます。

特化したコンテンツハブの開発

すでに存在する（もしくは急いで作成している）コンテンツがあれば、それをユーザー向けのハブページに整理しておくと良いでしょう。

これを大々的に打ち出している主要な企業の一つが、電話会議ソフトのZoomです。（セキュリティーの問題などが明るみになってきていますが）

セキュリティーの問題が解決された後は、今後のことも考えて、Zoomを使ったコミュニケーションに慣れる機会にしていくのはどうでしょうか。

Zoomのサイトにいくと、COVID-19ハブページにチュートリアルやデモ、効率的なリモートワークの方法、Zoomを使用しての教育、バーチャルイベントを主催する方法などのコンテンツを提供しています。

もう一つのサイトは国税庁のウェブサイトです。税金は国のすべての人に影響を与えるものであり、COVID-19の影響を大きく受けています。
国税庁のウェブサイトには確定申告に関する重要な記事など、緊急のお知らせコーナーが設けてあります。

ヘッダーとタイトルタグ

これらの記事やハブページを検索ボリュームに結びつけることに、それほど熱心に取り組まなくてもいいと思いますが、いくつかのトピックについては検索ボリュームが急増していることがあります。

例えば、通常は春頃は新しく補助金に関する情報が開示されていく時期なのですが、Google Trendsを見るとその中でも"コロナ補助金"が急激にトレンドアップしています。

ゆるくキーワードに合わせるのは構いませんが、無理やりキーワードを詰めてアクセスを集めようとするのはやめましょう。
アクセスを集めるチャンスではありません。
前提として、状況を悪用するのではなく、ユーザーの助けとなる情報を提供することを忘れないでください。

サイトアーキテクチャを考える

新しいページや話題性の高いページをサイト構造の上位に配置することで、順位が上がるようにすることは、検討すべきだと思います。

さらに、現在の状況を鑑みて、一部のサイトでは、リンクされているコンテンツを変更したり、ナビゲーションとフッターエリアから価値の低い/関連性の低いコンテンツを削除することも検討してもいいかもしれません。
一部のコンテンツがこの状況で関連性が低くなっている場合は、より価値のあるコンテンツと引き換えにアーキテクチャの奥深くに置くことも考えてみてください。

2月から3月にかけてのサイトのコンテンツへのトラフィックの変化を見てみるといいでしょう。
サイトのアーキテクチャを更新したり、上位に配置する価値のあるコンテンツがあるかもしれません。

では、この状況に合ったコンテンツがない場合はどうすればいいのでしょうか？

COVID-19用の新規コンテンツを作成

新しいコンテンツを作成するには、迅速な対応と創造的な思考が必要になります。ほとんどのビジネスでは、自社の顧客がCOVID-19によってどのような影響を受けているかを考えなければなりません。

平常時に投稿しているコンテンツ作成を一時停止し、現在のスケジュールを変更して新しいコンテンツを作成した方がいいでしょう。

このようなコンテンツは短期間で完成するかもしれませんが、品質が低下するということではありません。むしろ、目立たせることがより重要になるのです。

素晴らしいコンテンツをまとめているウェブサイトをいくつかご紹介します。(政府機関のサイトには、多くの有益なコンテンツがありますが、ここでは割愛し、一般の企業サイト・サービスに焦点を当てます)

料理/レシピサイトのcookpadは学校の休校などでお困りのママ向けに、「負担軽減お助けレシピ」をまとめています。cookpadは、役立つ情報をまとめながらも、自分たちのコアとなるサービス（レシピ）に寄り添った素晴らしい仕事をしています。

海外の事例では、ビジュアル情報のみを共有するサイトVisual Capitalistは、パンデミックの歴史をマッピングしました。典型的な年表の代わりに、3Dで過去にあったパンデミックの致死率を示す創造的なビジュアルを表現しています。

これらは、数ある素晴らしいコンテンツのほんの一部です。

次は自分で探す方法をご紹介します。

1. 出版社が書いているトピックをより良く可視化する

週刊誌などの出版社はトレンドのトピックやニュースを素早くカバーすることに長けていますが、中にはソースが曖昧だったり、信憑性が残念なものになっているものが多いです。
また、視覚的にもイマイチ伝わりにくいものも多いですよね。

デザインが不十分なトピックがあなたのブランドにフィットする機会を探したり、トレンドのトピックを詳しく説明する方法を探してみましょう。
たとえば、このDIYに関する記事は、引きこもりがちな生活にDIYやホームデコレーションで彩りをもたらしてくれるものです。
DIYやホームデコ業界のブランドがステップアップする絶好の機会です。

2. インスピレーションを求めてRedditに行く

Redditはコンテンツのアイデアの出発点とも言えます。
3つのサブRedditで、少なくとも週に1回はトップ記事やトレンド記事をチェックすることをお勧めします。

- r/coolguides
- r/dataisbeautiful
- r/infographics

例えば、r/coolguidesに行って、過去1週間や1ヶ月の「Top Posts」でソートしてみると、グラフィックをどのように可視化すべきかがすぐにわかります。

海外の事例ですが、Journal of Hospital Infectionからの情報を可視化したアーティストの投稿を紹介します。

この投稿はお役立ち情報/トピックにも関係していますが、それだけではなく、巧妙にデザインされています。典型的なユーザーは「完璧なガイド」が大好きで、ユニークなスタイルで作ることができれば、Reddit上では勝てるでしょう。

(COVID-19のトピックに飽き飽きしている人は、ホットドッグについての完全ガイドを見てみましょう。面白いです。)

上記の3つのサブRedditをオススメしている理由は、コンテンツマーケティングの仕事に最も関連性のあるもので、ビジュアルに重きを置いているからです。
ほとんどの業界には関連性のあるサブRedditがあり、ホットな話題や質問、ユーザーの会話からトピックを見つけることができるはずです。

ただし、あなたが見つけたものをそのままコピーしてはいけませんよ。
それをアイデアとして使用し、自分のコンテンツとして作り変える必要があります。

3. 爆発的な話題でトレンドのアイデアを探す

こちらも海外のツールですがExploding Topicsを使用していない方には、ぜひ一度見てみることをお勧めします。BacklinkoのBrian Dean氏とJosh Howarth氏が作成したもので、知名度を上げているキーワードをハイライトしています。
英語なので苦手な人はGoogle翻訳とかを上手く使いましょう。

このように、リモートワークが大きな話題になっていますが、他にも病気休暇やリモート採用など、在宅ワークに関連した話題もこの時期にピックアップされています。

4. Googleトレンドで調査を積み上げる

Google Trendsは、トピックを検索してトレンドがあるかどうかを確認できるもう一つのトレンド発見ツールです（上記で挙げたExploding Topicsも同様です）。ここ数週間でおなじみのトレンドがいくつか出てきます。

手の除菌剤の在庫が減少し始めたとき、多くの人が自分で作る方法を知るためにGoogleで検索していました。

また、まだまだ在宅勤務の率は低いですが、運動不足になってしまったときに家でできる運動もググっていますね。

あなたの業界の特定のトピックが季節ごとにいつトレンドになっているのか、しっかりと把握していない場合は、Google Trendsを使ってしっかりと把握しておくといいでしょう。
しかし、新型コロナの影響で、世界中で予定されている人が集まるイベントは、ほぼキャンセルとなっています。そのため、あなたがコンテンツを配信する場合は、スケジュールもそれに合わせて調整するしなければなりません。

特定のキーワードをマクロ視点で観察する場合は、期間フィルターを"過去5年間"にして使用してください。一般的に年度末に傾向があるものについては、コンテンツのスケジュールを調整することを検討した方がいいかもしれません。

例として、確定申告に関する検索は、今年は例年と少しことなる傾向ですね。

トピックの期間を考慮する

今トレンドになっているキーワードの中から、あなたのブランドの主要テーマであるキーワードを探し、優先順位をつけましょう。
例えば、ウェルネスブランドのセルフケア、旅行ブログのための滞在のアイデア、子育てサイトのための家庭でのスクーリング活動などのトピックは、#socialdistancing の期間が終わっても十分に機能するでしょう。

逆に、将来的にトレンドダウンする可能性のあるトピックにも目を光らせておきましょう。
例えば、パーティー、スポーツ、または他の屋外イベントのような大規模な社会的な集まりと関係しているトピックは、検索ボリュームの傾向を考慮する必要があります。

上述したように、新しいコンテンツがユーザーにとって関連性が高く、重要なものであればあるほど、サイトアーキテクチャの上位に配置する必要があります。
逆に、ユーザーとの関連性が薄れてきた場合は、コンテンツを削除することも準備しておいてください。

人の助けになること。悪用しないこと。

これらのコンテンツの活用は、恐怖を餌食にして注目を集めることに使わないでください。こういったコンテンツは強制されてつくるものではなく、すべてのブランドがCOVID-19のコンテンツを積極的に配信していく必要はありません。

あなたのコンテンツが、人々を正しく教育し、情報を与え、困っている人の生活を少しでも楽にしたり、このような暗い時代に一日を明るくすることができるのであれば、ぜひ取り組んでください。

もし、あなたのコンテンツがうまくフィットしない場合は、あなた会社の従業員や苦戦している他の中小企業を支援するなど、他の方法で必要としている人たちを支援することに注意を向けてください。

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