世界陸上ブダペストにおけるルール改正
世界陸上ブダペストが佳境を迎えている。
実は今大会からルールが微妙に変わっているのだ。
それは3月末に世界大会の日程と一緒に発表されたのだが、
分けろ!!!!とは思う。
それはさておき、どのような改正があったかみていこう。
中長距離の次ラウンド進出方法
これが見ていて一番分かりやすいルール変更だ。
1500m、3000m障害、5000mの予選や準決勝が対象。
今までは「各組m着、m+1着以下タイム上位n名」で次ラウンド進出者決定がされたが、今回はすべて着順で次ラウンド進出者を決定する。
つまり、タイムでは進出者は拾われない。
これはどういうことか。
純粋なスパート勝負になる、ということだ。
少し乱暴なことを言うなら残り1周まではジョギングで、そこからのダッシュだけ頑張ればよい、ということが起こり得る。
正確に言うなら今までもその可能性はあったが、十数人いれば一人はイーブンペースやハイペースに持ち込むことが多かった。
なぜならそうすることで逃げ切るか、逃げ切りに失敗してもタイムをあげ、次ラウンド進出確率をあげることができたからだ。
しかし、それをやるメリットがなくなった。
相当逃げ切りに自信のある人しかできなくなった。
個人的には、この制度変更はVAR導入に匹敵するインパクトだ。
レーン配置の変更
今までは3~6レーン→7,8レーン→1,2レーンの順に選手が配置されていた。
それが大きく変更となった。
大きく2種類に分かれる。
直線の種目
100m、110mハードル、100mハードルなど直線のみを走る種目は、真ん中ほど上位の選手、端ほど下位の選手が配置される。
曲線を走る種目
一方200mや400mなどの曲線を走る種目は基本的に外側が上位の選手、内側が下位の選手となる。
リレー関係
シード
50%:チームのタイム
50%:個人の自己ベスト(100m/400mの持ちタイムがない場合は110mH, 200m, 400mHなどのほかの種目でも)
締め切りの繰り下げ
リレーのチーム受付の締め切りを前日の朝から夕方に繰り下げ。
メンバーとオーダー(走順)は一次招集のときに提出する。
繰り上げ
準決勝や決勝で棄権者が発生した場合、選手を補充する可能性がある。
今のところまだ適用例はない。
しかしながら、「敗退かと思ったら、何か次に進んでいた」ことが起こる可能性があるので、やる側も見る側も注意が必要だ。
まとめ
ルールは決して不変のものではない。
ニーズがあれば、いくらでも変えられる。(手間はかかるが)
自分も「ルールだから」で思考停止することのなく、ルールを変えるにはどう説得すればよいかまで考えるようにしたい。
まあ、これらのルール改正より先に不正スタート(フライング)の閾値の緩和を行うべきであるが。。。
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