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楽曲紹介 まどろみ-おやすみの時間-

書きたくない訳じゃないんです。ここに投稿するのに若干の手間がかかるだけでね。。汗
やっっっとアルバム最後の曲。今年中に書き終えて良かった。

制作経緯

遡ってみると22才の時に作った曲でした。高校卒業してすぐに東京に出たものの3年で挫折して広島へ帰り、このまま音楽を辞めるのかと思いきや毎日毎日曲を作る癖が抜けなかったんです。人生初の大きな挫折が本当にしんどくて3ヶ月くらい家から出れなくて、この先何がどうなるなんて分からなかったのに、それでも曲を書いてました。何故自分は曲を書くのか、当時その本当の理由は分からなかったです。
もしかしたら、この時期が最も曲作り -言わば表現活動- に対しては純度が高かったのかもしれません。

仕事で依頼された訳でもない、ライブがある訳でもない、オーディションを受ける訳でも音楽関係者に聞かせる訳でもない。
見えていたはずの未来が見えなくなって、閉ざされた人生と時間しかないと思っていた。
それでも曲を毎日作っていたのは、とにかく自分の書いた曲に自分が納得したい、それしかなかったです。

私の実家は木造の一軒家で周りに川しかなくて、朝焼けも昼下がりも月の光も良く入る家でした。この頃は特に西日が好みだったようで、自室でぼわんとしながら幻想を音にしたようですね。
当時は鼻歌でメロディしか作れなかったので、伴奏のことは気にせず好き勝手に作ってました。
歌詞はその時に売れていた曲に反論する内容を書きました。遠距離恋愛が多かった私には「離れていても同じ空で繋がっている」というような歌詞がどうにもこうにも納得いかなくて、そんな理想的なこと言ってられないよ人間は、と。

根本の性格は今も昔も変わらないですね。笑

過去音源 2005年ver.

人生初のミニアルバム「月夜のかけおち」に収録されております。
「鳥籠」同様、ピッチ修正されまくっております。今自分で聴くと、修正され過ぎて気持ち悪いです。
気持ち悪いけど、とりあえずどうぞ!笑

レコーディング

「鳥籠」の記事を読んで頂ければ大体同じです。
だけどこの曲は、例のPに「いい曲だね」と言われたのがとても嬉しかった思い出があります。

あまり他人を信用してなかった当時の自分がすんなりその言葉を信用出来たのは、その口調がセリフっぽくなく、つい心の声がぽそっと出た感じだったからかもしれません。
人は本当の気持ちを声に出す時、言葉そのものよりも「気」みたいなものを孕んでいるんだな、とこの時に強く思いました。

ボーカリストとしてのキャリアが始まってからのレコーディングで、歌い終わってコントロールルームとトークバックで繋がれる時、言葉よりも先に「このテイク良かった!」という「空気」が先に飛んで来ることがあって、その瞬間が何より自分にとってのご褒美です。
そういう「気」を感じられるようになったのも、この時のこの経験と感覚があったからだと思います。

2019年ver.

レコーディング

この記事の回答をしていない事に気づく今。

アルバムコンセプトが出来るまで「ろ」編

正に「まどろみ」で悔しい思いをして「は」に続く、と書いているので今ようやくここで回答します。果たして待っててくれた人はいるのだろうか…。
先日バンドプロジェクト三日天下の配信をご覧になった方はご存知かと思いますが、自身の曲はレコーディングで歌詞を見ないんですよ。
なので、レコーディングでその時の昂りがそのまま出てしまうと歌詞がループすることもある。それは音楽的に間違いではなく、その昂りに合わせて歌詞を変更して記載出来なかったことが大問題で。

自身の中でのわだかまりになっていたので、この楽曲をきちんと終了しなければいけないと思いました。2枚組アルバムは「は」で完結しようと思っていたので、色んな意味での完結を感じたくて最後の曲にしました。
「ろ」の時のアレンジも自分の中ではまだ途中という気がしたので、今回でアレンジも終わらせたいと思い、アコーディオンとピアノで作ってみました。

ようやく。この楽曲もまどろんでそのまま深い眠りに入れましたね。

過去音源と今の比較

長い長い長い道のりでした。たった1曲が自身の中で完成を迎えるまでにこんなに時間がかかるかね!?と。
でもそれくらいたった1曲を愛せる自分も好きだったりします。
その時代によって色んな顔を見せることが出来たのも意味のあることだと思っているけど、聴いてくださる方に何がどこまで伝わっているかはその人自身の聴き方によるから計り知れないな。
でもこの記事の冒頭で書いたように、きっとこれまでもこれからも「自分の書いた曲に自分が納得したい」が1番の創作意欲であり表現の方向性だと思っています。それは自己満足だけでもなくみんなを置き去りにするということでもなく、それ無くして人様に聴かせられないでしょ!?という私なりの誠意だと思う。
片手間に作れないんですよ、どうしても。商業音楽には全く向いてないですね私は。笑

2枚組のアルバム、というレーベル創設してからのコンセプトはこれにて一旦封印して、次回からは通常のアルバムを作ると思います。
とても大変でとても楽しかった、とても嫌なことが起こりとても成長した。
愛すべき3作品です。

まずはゆっくり眠って。おやすみなさい。

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