タイトル

楽曲紹介 - Dovunque sarai

皆様ご機嫌いかが?小林未郁です。
前回より始まりました楽曲紹介、エピソードの多い「ウタウワタシ は」から始めております。

LA VIRTUD
https://note.com/miccabose/n/ne5a144b767b8

楽曲が提供された順にするか、収録の曲順通りにするか迷いましたが、CD収録の曲順通りに。
本日は2曲目、イタリア曲です。

【依頼経緯からアーティスト決定まで】

イタリアと言えば。
私が初めて海外で歌うことになった10年前、それがイタリアのフィレンツェでした。
それから毎年必ずイタリアを訪れております。何かを始めたら続けなければ意味がないと思っているので、特に2年目は意地でイタリアへ、3年目からは出演依頼を頂いたり現地で協力してくれる友人が出来、主催イベントも何度も開催しております。

そんな中、初めて訪れた10年前からお世話になっている現地在住の井谷直義さんに相談しました。
私の歌を知っているのはもちろん、ここ10年の状況変化もご存知で、きっと私の性格も熟知しておられると思いますので、笑
話はとても早かったです。

ちょうどカターニャでのイベント出演が決まっており、それも2回目の出演だったのでイベント主催者も私のライブを観たことがあり、
そこで相談してもらったところすぐにFabio Liberatoriさん( http://www.fabioliberatori.it/ )をご紹介して頂きました!
私の資料は事前に送ってありましたが、カターニャに行くタイミングで早速お会いすることになりました。

【楽曲提供】

ファビオさんの経歴は聞いていたのですが、楽曲はお会いしてファビオさんのスタジオでお話しましょう、とのことで、どんな曲を作る方かは全く知らない状態でお会いしました。
もし曲を聴いてイメージに合わないと思えば合わないと言ってくださいね、という流れだったのですが、それはそれで緊張しますね。
実際に違うイメージだったらその場でお断りしなければいけない。気まずいからと言って曖昧に濁すのは逆に失礼に当たると思うので、そこは私もプロフェッショナルとして、思ったことをそのままきちんとお答えしよう、という心づもりで向かいました。

スタジオに行く前に食事をして、ローマの町並みを紹介してくださいました。(後にこの経験が歌詞に繋がります。)

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とても紳士な方で私の音楽や歌声を褒めてくださり、日本とはジブリ関連のお仕事もなさっておられますし日本が大好きなのだと。褒めて頂き嬉しかったのですが、これでもし音楽が合わなかったらどうしようと内心ヒヤヒヤでした。笑

スタジオにお邪魔して、私の歌声を聴いてみてこの曲が良いではないか?という候補曲を、なんと8曲もご用意してくださってました!
1曲目から順に聴いてみたところ…
素敵だとか綺麗だとか感じる前に、情景がぶわわーっと浮かんで来ました。どこの国とも言えないけどどこかの国にいるような、時代もいつと限定が出来ないような、かと言って完全にファンタジーに寄っている訳でもない、そんな景色。物語が浮かぶ曲たちだと思いました。

本来は1曲だけ提供してもらう予定でしたが、あまりにも良かったので「3曲もらって良いですか?」と、つい!
私はまたワガママを言いました。むふ。

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【歌詞】

実はデモには英詞がついていたのですが、ファビオさんからのご希望で新たに日本語詞をつけて欲しいとのことでした。
私もファビオさんとコラボレーションという形で創作をしたかったので、大賛成で書き始めました。
が!!
テーマを見つけるのにかなり苦労しました。というのも楽曲そのものが大陸系というか壮大で広がりがあり、あまり狭い範囲でのテーマにしたくないなと。普段書いているのは心の奥底という世界なのでなかなか発想が出来ず。
そして、広がり、といえば「地球だな…」と。(極端。笑)

ファビオさんに連れて行ってもらったローマの丘や、そこで見た恋人達が願掛けでかけている鍵なども歌詞に入れたくて、思いつく要素を集めてみたところ、
「歌の女神が人間の体を借りて丘から歌い、世界のどこにあなたがいてもその歌声で地球ごとあなたを包む」
という、これどうやって表現するの!?という内容になってしまいました。。

結果として個人的にとても好きな歌詞に仕上がったのですが、問題はこれをイタリア語に翻訳してもらう作業です。イタリアで歌詞翻訳の仕事をしている方にお願いしたのですが、まず直義さんに細かい歌詞の内容を聞かれました。
言語の特性としてまず主語が誰なのか、主語の性別は男性か女性か(それによって動詞が変わる)、抽象的な言い回しではなく具体的な意味を説明しなければならず。
しかしこれが私にとっても良い経験になりました。日本語詞だと物語をベースにしながらイメージや空気感、そこに漂う言葉に出来ない感情みたいなものを捉えて歌詞に落とし込んでいたのですが、具体的に聞かれると私の中でもこの感情は誰が何を言いたかったのか、と掘り下げることが出来たのです。

そしてとても嬉しかったのが、「広がる」「広がり」などの細かい言い回しも丁寧に訳してもらったことでした。
この違いは何なのか、と問われ、きちんと説明したところ、イタリア語でもその部分の言い回しは変えてくださいました。

違う言語であっても言葉へのこだわり、世界観の伝え方など、国を超えて一緒に創作するのは本当に楽しいです。

【レコーディング】

この曲はどうしても三日天下で演奏したかったので、アレンジからメンバーに入ってもらいました。
どうやらファビオさんとの好みが似ていたのか世代が似ていたのか、ファビオさんのデモを聴いてmini moogやprophet5を使用する方向性になり、私には耳馴染みのない楽器名が出て来ました。

シンセサイザー関連はアンソニーさんと富士子さんを中心に。

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そしてなんと、レコーディングスタジオにprophet5が眠っており!もちろん使用させて頂きました。
愛でる富士子さん。

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サウンドはとにかく広がりのある音にしたかったので、最後は宇宙に飛んでいくようなエフェクトをかけてもらいました。
コーラスも通常は私と富士子さんだけなのですが、男性陣にも歌って頂き声を重ねました。厚みのあるコーラスになり、声という楽器も余すところなく使うことが出来た贅沢なアレンジになったと思います。

ボーカルブースに男3人、ぎゅうぎゅうで入るメンバー。笑

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この曲はレコーディング中にもメンバーから色んなアイディアが浮かび、どんどん育っていきました。
もしかしたら今回のアルバム楽曲の中で一番、予想を超えて育った曲かもしれません。
最初にデモを聴いた時に浮かんで来た情景を音として具現化していく工程は、本当に楽しくて好きな作業です。これぞ創作の醍醐味。

【ご披露もろもろ】

ありがたいことにファビオさんが日本語詞をとても気に入ってくださり、コラボレーションの意味合いもアルバムに残したかったので、
日本人ミュージシャンでのイタリア語詞、ファビオさんアレンジでの日本語詞、という2バージョンをレコーディングしました。
エクストラとして「どこにいても」を収録しています。

日本語とイタリア語の語感の違いなどを楽しんでもらえたら嬉しいです。

Fabio Liberatori
http://www.fabioliberatori.it/

「Dovunque sarai」

「どこにいても」

先日の配信ライブでも歌唱しました。
30:30辺りから。


それでは次回投稿まで、ご機嫌よう。


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