シミュレーションや準備の重要性、adoption。映画「Sully(ハドソン川の奇跡)」を見て
2009年1月マンハッタンの西側のハドソンリバーに飛行機が奇跡的に着水した、というニュースを見た。この映画はそれがベースなので、てっきり奇跡をメインとしたヒーローストーリーかと思っていたら違った。
キャプテン(操縦士)サリーは、「実は片側のエンジンは故障していなかったのでラガーディア空港に戻るべきだった」と言われ、まるでミスしたかのような容疑をかけられる。(ちなみに、副操縦士はファーストオフィサーと呼ばれる。)
サリーは、保険会社の依頼で調査をする人たちも「仕事」でやってるわけだからと理解があり、最終的には、サリーの判断が正しかったことが証明される。
シミュレーション・準備・努力の継続+経験
サリーがなぜ未経験の緊急事態に冷静に対応できたかというと、常に最悪の状況を想定し、着陸できる場所確認等準備を怠らなかった点と経験(初めて操縦した16歳から42年目)からだった。
後日談から、パイロットという仕事は思いのほか同僚の事故死に遭遇する可能性が高いことを知った。それを未然に防ぐ術、回避方法等をたゆまぬ努力で身につけた。
Coolなフライトアテンダント
アメリカのフライトアテンダントは日本人より対応が雑な人もいるけど、この映画で彼女たちの緊急降下中の掛け声「head down, stay down」 はtouching。
有名になるということ
Sullyはもの静かなタイプなので、望んでいないのに有名人になってしまったことはかなりのストレスだったらしい。自宅に何万通の手紙が届いたり、道を歩けば誰かに話しかけられ、それが感謝の言葉なので無下にできず。一夜明けたら、世間のみんなが自分を知っている状況って想像するとちょっと怖い。
養子縁組という選択
ところで、サリーの妻のコメントから、彼らの子どもが養子であることを知った。こういうことをオープンに言えるアメリカは、日本より養子縁組がひとつの選択として自然だからだろう。
アメリカでは不妊の場合、あるいは40代で結婚する場合、最初から養子縁組が選択肢としてある。それはドラマや映画でも普通に出てくる。例えば、ドラマ「セックス&ザ・シティ」のシャーロットや映画「ブルージャスミン」で。
以前、日本の20代後半の夫婦が不妊のため養子をもらうドキュメンタリー番組を見た。養子縁組するには条件が色々あり、そのひとつに親の年齢制限があった。対応する団体や施設によって違うのかもしれないけど、アメリカでは確かダイアン・キートンが養子縁組したとき50~51歳ぐらいで独身だったのでアメリカのほうが環境が整っていてフレキシブルな印象。
日本では明治~昭和初期のほうが、親戚で優秀な子がいれば養子縁組して後を継がせる、という選択肢が普通にあったような気がするけど、今はあまり聞かない。自分が知らないだけかもしれないけど。
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