ミカシネマ vol:5「50回目のファースト・キス」

TSUTAYAで借りてきた「LOGAN/ローガン」のBlu-ray、あれ、日本語吹替も日本語字幕も入ってなかったじゃん。日本語しか言い聞きが出来ない俺にとっては処刑宣告も同然だったので、今度は確実に吹替が入っているDVDを借りてきます。というわけで、後々観る予定だった映画を予定を早めて観ました。それがこちら。

「50回目のファースト・キス」(2004年)

ピーター・シーガル監督作品で、主演はアダム・サンドラーとドリュー・バリモア。豪華である。ハワイを舞台にしたラブロマンスものだ。基本コメディが好きな俺だが、結構ロマンチストなのでこういうのも好きだったりする。意外だろ?ただ洋画に限るかもね。邦画はあんまり好きじゃない。

あらすじはこう。ハワイの水族館で獣医をしている男ヘンリーは、旅行者の女性と一晩だけの後腐れない関係を繰り返すプレイボーイであった。ある日、ヘンリーは立ち寄ったカフェでルーシーという女性に一目惚れする。意気投合し、また会う約束を取り付けるが、翌日再会したルーシーはヘンリーのことを覚えていなかった。ヘンリーはカフェの店員スーの話で、ルーシーは1年前に自動車事故で受けた脳に損傷で、事故前日までの記憶はあるが一晩寝ると全てを忘れてしまう短期記憶の障害を負っていることを知る。だがヘンリーは諦めきれず、1日経って自分のことを忘れてしまう彼女と何度も出会い、仲良くなる。それがいつしか、彼女の家族や友達をも動かしていく……。

あらすじからも分かる通り、この映画の主軸となっているのはヒロインであるルーシー。1日経つとその日の記憶がリセットされてしまい、何度も何度も事故の前日を繰り返してしまう。そんな彼女の為に、父親と弟は彼女が違和感を抱かないよう、毎日同じ行動を繰り返し、大量に刷った事故前日の新聞を渡し、貰ったプレゼントは包み直し……というふうに、時が止まったように過ごしていた。そして、ある日ヘンリーがルーシーに一目惚れしたことで、その生活にも変化が訪れるのだ。

序盤こそ、ヘンリーがルーシーに何度も何度もしつこくアタックし、1日だけではあるが知り合うことを繰り返すところが面白おかしく描かれているが、警官に車検切れの違反切符を貼られたことでルーシーが事故のことを知ってしまうあたりから、物語に陰が出てくる。ルーシーに事故の記事を見せるくだりはショッキングだった。そこでヘンリーは、翌日の、記憶を失ったルーシーに向けて、彼女が知らない空白の1年間と彼女が遭った事故、そしてヘンリーと出会ったことを記録したビデオテープを作る。翌日のルーシーはそれを見て自分の身に何が起こったかを知り、それを受け止めたうえでヘンリーと過ごすのである。そうして、進んで戻る彼女の生活の中に、いないはずのヘンリーがいる、というなんともロマンチックな展開になる。俺、こういうのに弱いんだよな……などと思いながら見ていた。

そんな生活も幸せそうに続いていくが、またあるところからドンと陰が出てくる。ヘンリーにはアラスカへセイウチの生態調査をしに航海に出るという夢があったが、愛するルーシーのためにそれを諦めてしまうのである。それを知ったルーシーは、何度も何度もファーストキスを交わしたヘンリーとの別れを告げようとする。その時の表情が切ないのなんのって。ヘンリーにとってはルーシーに出会った日から彼女が全てであり、そのために尽くしてきた。そんな彼女から別れを告げられるのは辛すぎる。

恋愛経験皆無の俺が言うのもなんだが、恋人同士に大切なのは、色々な事柄に対するお互いのバランスを取ることだと思う。ヘンリーとルーシーの場合、ヘンリーはルーシーのために自分の夢を諦め、ルーシーは毎日ヘンリーに支えられている。だが、これでは自分がヘンリーの足枷になってしまうとルーシーは考えるのだ。そりゃそうなっちまうわな。相手が自分を支えるために夢を捨てたとなれば、黙って見過ごすことはできないよね。これがこのドラマを切なくしている。結局ヘンリーとルーシーはどうするのか、それはあえてここには書かないでおこう。読んでるそこのアナタに観て確かめて欲しい。先に言っちゃうと感動が薄れる結末だからね。これまでのミカシネマは結末まで書いちゃってたけど、これはやめておく。

感想というより、あらすじを追っていく中での感想という感じになってしまったけど、それだけこの物語は劇中での出来事が多い。とてもたった100分とは思えないぐらいの濃さだった。「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994年)ぐらい濃く感じた。是非、これを読んでいる読者の方に観てほしい。これもそうだけど、他のミカシネマに書いた映画もよろしくね。

最後にひとつ。この映画の主演、アダム・サンドラーとドリュー・バリモアがめちゃくちゃ良い役者すぎる。この2人が共演した「子連れじゃダメかしら?」(2014年)を高校時代、研修合宿の帰りのバスで先生が流していて見たことがあるんだが(多分その先生はアダム・サンドラーのファン)、その時もこの2人いいじゃんって思って、今回の「50回目のファースト・キス」で再確認した。ドリュー・バリモアはほんと美人だな。俺は多分ブロンドの女優が好きなのかもしれん。キャメロン・ディアスとか、アンナ・ファリスとか。

それではまたnoteを書きます。


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