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詩 ただいま、旧き感慨

 

  詩 ただいま、旧き感慨


 眠りとともに揺蕩たゆた
 嵐が
 ことばも 未練も 情緒も
 焼いて 崩して
 薔薇が
 薔薇の園が 眼前にある
 雨が灯る
 ほむら いばら 飛沫しぶき
 意識は瓦解した
 継ぎ接ぎ
 断裂
 つる
 わたしを分かつ
 不可分な多様であるはずの
 肉体と精神
 恐怖と憧憬しょうけい
 希望と願望
 を
 別なものとして
 あなたを分かつ

 夢で逢えたら
 一つであった頃の
 熱を
 安らぎを
 少しでも
 思い出して
 違いを
 炙り出されて
 姉妹になってしまった
 わたしたちの
 不可分を
 少しだけでも 思い出して

 眠りの中に
 夢が燃えてる
 結局、世界は
 生まれた庭園から
 一歩も動かない
 のが
 理想だった
 けれど
 






東方とうほう地霊殿ちれいでん』に登場するサトリ妖怪『古明地こめいじさとり』を基にした詩