詩 朝焼けのさよなら
詩 朝焼けのさよなら
朝陽がのぼるわ
ああ これでお別れ
暫しの別離
散らかった花弁、皿、杯
座敷を片付けて
思い出をしまいこむように
流しの水に漬けるの
さよならがなかったら
この贅沢な苦味は
二度と味わえないだろう
永遠じゃない
老いは訪れて
道筋は違える
そんな日々の想像と
いま 陽がのぼるまで
そこにあった歓談を
それぞれ瓶詰めして 眺めている
せせらぎみたいに
水が流れて
当然みたいに
わたしたちは過ぎゆく
「ごっこ遊びはお終い」
なんて わたしは絶対言わない
けれど
いつか終わる、という約束が
いずれ変わる、という摂理が
ただの 流し台の水にさえ
痛ましい彩りを与える
それをひとり 聴く瞬間を
嫌いにはなれない
それは確かに この世界を
好きになってた 証明
東方Projectシリーズに登場する巫女『博麗霊夢」を基にした詩
また、先日開催されたコミックマーケット104にていただいたリクエストで書いた詩です。ありがとうございました。